評価
☆5/5
素晴らしすぎた。企画とても面白かったし、ドラマとしても面白かった。これは本当に素晴らしすぎ。
まず本作の最大の特徴は、ドマラになっていくまでをドキュメンタリーで見せ、その後にドラマを流すという点。
最初は主演が町田啓太さんという以外、まったく何も決まっておらず、原作のマンガの応募から始まります。原作マンガの決定、ドラマの脚本やキャスト決め、OP曲、ED曲の決定などに町田啓太さんも関わり、それをドキュメンタリーとして4話流します。その後に、役者としての町田啓太さんのドラマが8話あるという形。
ドキュメンタリー部分がいい
ドキュメンタリー部分ではドラマ制作の裏側を伺い知ることができ面白いです。個人的にはドキュメンタリーを見ているうちに自分もドラマ制作に関わっているような感じになってしまいました。その影響で「ああ、ここ大変だったんだなあ」とか思ったりして、これまでになかった感情移入の感覚でドラマを見ることができました。
また、ドラマ制作の過程で、例えば主人公が焦ったり、嘘をつくときに眉毛を触るという動作を追加するというエピソードなどがあり、ああこうやって見ている人がわかりやすい工夫をいろいろと追加していくんだなあと勉強にもなります。
ドキュメンタリー部分ではドラマの全容は語られないので、ドラマ自体の話も楽しめましたし、オチも良かったです。1話30分弱なのでサクサク見れるのも良い点。
話としては(ドラマ部分)
就活中の田町権太(町田啓太)は、大手広告代理店 大告堂の面接前に、大告堂のロビーで撮った写真がSNSでバズってしまう。しかし、大告堂の面接には落ちており、SNS上で嘘の自分を演じ続けていた。そして、長年付き合っていた彼女 葛西真央(深川麻衣)に嘘がバレてしまい喧嘩別れしてしまう。そのまま自堕落な嘘生活を続けていた権太の様子を見に、祖母 落合カツヨ(宮崎美子)が突然訪れてくる。そして権太の生活を知ったカツヨはカツを入れるため権太を殴ったところ、二人の精神が入れ替わってしまうのだった・・・。
という感じで、ボーイミーツガール系では定番の1つである入れ替わりものですが、本作では孫と祖母が入れ替わるというあまり見ない設定です。入れ替わりものではありませんが、ふと個人的に思い出したのはあやしい彼女という映画。73歳のお婆ちゃんが20歳に若返り、やりたいことをバシバシやっていくという話。
少し気になった点があるとするならば、入れ替わった際のカツヨ、つまり中身 権太の時のセリフが、ところどころ男言葉としては、ちょっと違うかも?って思ったくらいでしょうか。これは感じ方が人によって違うと思いますし、男性、女性でも印象は違うと思うので、些細なことかなと思います。
演者の方の演技力も素晴らしかったです。入れ替わりというのは男性と女性というだけでも結構難しいと思います。本作はさらに年齢差も大きいこともあって大変だったろうなと。
ドラマ化、映画化で原作と異なってしまう理由
個人的に本作を見てドラマ化や映画化されたときに、原作と内容が変わってしまう理由が少しわかった気がしました。
そもそも原作の方が情報量が多く、ドラマ化や映画化で端折らなければいけないというのもあります。しかし、それ以外にも制作陣が見ている側がわかりやすいように、様々な工夫が追加された結果、原作と変わってしまう点が出てくるんだろうなあと。
特に小説の場合などは、主人公の心情を演技で表現しなくてはいけません。毎回、心の声的なものを音声で入れるという手もありますが、やっぱり変ですよね。そう考えると、演技だけではカバーしきれない部分って多いんだろうなと思います。
また、ドラマや映画の場合、原作を読んでいない、見ていない人の割合の方が多いでしょう。そうなると、余計にわかりやすさみたいなものを重視しないといけないんだろうなと改めて感じました。