ブルーロック マンガレビュー 新視点サッカーマンガ

投稿者: | 2021年7月11日

ブルーロックとは

高校サッカー県大会で敗退したFWの潔世一(いさぎ よいち)は、敗因について逡巡していた。そんな時に強化指定選手の手紙が届き胸を踊らせ向かったが、それは単なる強化合宿ではなく、日本の新しいFWを生み出すためのサバイバル育成計画 青い監獄(ブルーロック)プロジェクトであった。生き残ればU-20代表、生き残れなければ未来永劫日本代表の権利を失うという過酷なプロジェクトだが、潔世一は自分の可能性を試すため一歩を踏み出すといった話。

原作 金城宗幸先生、作画 ノ村優介先生の作品で2018年連載開始で連載中(2021年7月現在)。

評価

☆5/5

端的に言えば、新しい視点のサッカーマンガかなと思います。サッカーxサバイバルみたいな感じ。

リアルではないという指摘もあるようですが、サッカーマンガですし、少年マンガなのでバトル系に近いかなと思います。

個人的にはすごく楽しく読んでいます。テニスの王子様とかが好きなら同じ感覚で楽しめるかなと。本作は主人公 潔世一の成長物語なので俺強系ではないです。

絵の躍動感も個人的には良いポイント。特に覚醒している時にはグッと絵柄の雰囲気が変わるので、臨場感が増しますよね。

今までありそうで無かった視点の作品。


日本サッカーのエゴイスト

皆さんはサッカー日本代表のFWについてどう思われますか?

日本でJリーグが生まれもう30年ほど経ちますが、未だに日本のFWは得点力不足を指摘されることが多いですよね。

だからこそサッカーマンガでは強いFWが登場し、日本の未来を担う的な話になるケースがよくあります。

本作は、そこに真っ向勝負した作品です。

そもそもなぜ日本のFWは世界トップレベルのFWに比べて得点力が無いのか?というタブーに触れています。このあたりの指摘は、リアルな日本サッカーの悪い部分をストレートに書いているせいもあって批判されたりもしているようです。

ただ、そこで終わってしまってはただの批判本。本作では日本のFWに足りないものは「エゴ」であるとし、究極のサッカーエゴイストを育てることこそ、日本サッカーを大きく変え、W杯で世界一を取るための礎になるとしています。そのプロジェクトが青い監獄プロジェクトというわけです。

今ままでかなりの数のサッカーマンガを読んできましたが、ここまで辛辣に日本サッカーの欠点を書き、さらにその先を見せてくれたマンガは無かったかなと。

マンガなので誇張している部分は多いにあります。しかし、本作が指摘するエゴイストこそ、たしかに日本に足りないと言われている点であることは間違いありません。

海外のスーパースター選手でしばしば挙げられるのはハングリー精神で、それが日本人には足りないと言われます。環境が整っている日本において、そのハングリー精神を養うにはどうすればよいか? その答えもまた青い監獄プロジェクトというわけです。

作中で本田 圭佑選手を馬鹿にしたような表現があって批判も浴びているようです。ただ、日本のサッカー選手の中でエゴイストという言葉が一番当てはまるのって本田 圭佑選手な気がしませんか?

何が言いたいかと言うと本作は日本に必要なのはまさに本田 圭佑選手のような人材と言っているのかなと。サッカーW杯を思い返してみると、本田 圭佑選手のみが本気で世界一を狙っているように感じませんでしたか? 他の選手とは熱量がちょっと違うというか。

そんなことを本作を読んで感じました。

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