ANON アノン 映画レビュー 設定・雰囲気が秀逸なSFサスペンス

投稿者: | 2021年9月25日

ANON アノンとは

人々はデータベースにあらゆる情報が記録され、プライバシーや匿名性は失われてしまった世界。どんな犯罪でも人々の視覚情報からまず犯人がわかるのだが、記録に存在しない(Unknown)女性による殺人事件が起きる。その者はANONと名乗り、人々の視覚情報にハッキングし、情報を書き換え、存在を消している。果たして彼女は何者なのか?

2018年製作。

評価

☆4/5

個人的に本作、設定がとても秀逸だなあと思いました。また、情報にアクセスする際の見せ方も独特で個性的。その点では☆5という感じです。SFのこの手の設定が好きな方は、設定だけでご飯三杯いける感じ。いろいろと考えちゃいます。

ただ、全体的に淡々と話が進むので若干退屈さを感じるところはあります。その点で☆-1という感じかなあと。

本作は「ガタカ」「TIME タイム」のアンドリュー・ニコル監督ということで、言われてみると雰囲気がすごく近いですね。個人的にTIME タイムも好きな映画なので、本作も楽しめました。

全体的な評価は低いようですが、たしかに本作、人を選ぶ映画かなと思います。また、アメリカ映画のようなエンタメ性も低いですし、サスペンス映画ではありますがハラハラ・ドキドキするようなシーンも少ないです。また、全体的な世界観のせいもあって役者の演技も結構淡白なので、そのあたりも好みが出るかなと思います。

個人的な感覚としては、脳にデバイスを入れられすべてを監視された世界では、人間は感情の起伏が無くなっていくのでは?と思います。感覚的には家畜とかに似ているところがあるのかも。

また、何かを考えて行動したり、何かの情動に動かされて行動するというのが、ほとんど無くなっている世界だと思います。まず、情報を見るという感じで、情報にすべて答えがあるという感じ。犯人を探さなければいけないという行為そのものが異常事態なわけです。

だからこそ、全体的に淡々としていますし、主人公の行動が興味深いのかなあと。そのあたりは深読みかもしれませんが。


リンク