最近、なんだかダルい、やる気が起きないなど、ちょっとした体調不良の原因は炎症にあるとし、その原因として狩猟民族時代と今の時代で人間自体は変化していないのに環境が変化したことを挙げる。それらは文明病であり、炎症を減らすためにはどうすべきかについて紹介。
本書の特徴としては、これでもかと根拠に統計論文を出している点。
評価
☆3/5
著者の鈴木 祐さんは元出版社に勤めており、情報の豊富さが1つの特徴かなと思いました。
本書でも統計論文を多数出し、それらを根拠として論理展開していきます。このあたりは一方的に自身の信念に合う論文を選んで出しており、正しいアプローチとは言えません。ですので、タイトルの科学的メソッドという点については正しくはないかなと思います。
また、人間の主観による統計の正しさというのは精査が難しく、環境や質問の内容、時期によっても大きく変わります。ですので、あくまで参考。その裏付けとなる根拠の方が重要です。そのセットではじめて意味がなします。
あまり理系文系の話はしたくはないのですが、元々慶応義塾大学SFCの方なので文系なのかなと。
ただ、論拠としては間違っているわけではないので、本書の内容を知識の1つとして読むにはとても良い本だなと思いました。
そういう意味では、人間にとって良い行動とか、良いことをしようという話なので、内容としては変ではありません。
また、章ごとに最後に簡単に内容がまとめられているのは、とても良い点だと思いました。時間が無い方は、各章の最後の部分だけ読めば、だいたい内容が理解できます。より詳しく知りたいのであれば、その章を読むという感じです。
本書は論文ばかりの話で医療の知識が偏っています。これは著者が医師ではなく元出版社の人だったというのが、まさに出ていますね。個人的にも少しわかります。
一番重要なのは、本書がすべて正しいという視点で読むことかなと。そういう姿勢で読めば面白く読めると思います。あと、最後の方にプロジェクト管理の話が出ていますが、これもかなり浅いので参考程度に。