
六弦フェニクス!!の次は、表紙が気になったノボとちぎれたふたつの世界。
紹介文
「なみだ淵の森」を境に、ふたつの街が存在する。
BCCKS / ブックス – 『ノボとちぎれたふたつの世界』(著)仲町百瀬 (編)maki (表紙デザイン)豆ノ瀬でんぱ著
自然と共に昔ながらの生活を送る「オールドシティ」と、すべてが管理された「ニューシティ」。
ある日、オールドシティに住むノボは自分そっくりのテシに出会い、好奇心から24時間の交換生活を提案する。
その出会いはふたつの街の未来を大きく変えることにーー。
感想
まず、最初に思ったのは、完成度の高さ。
実質2日という中で、ここまで仕上げてきたのは、素晴らしいと思いました。
個人的にざっと読んで、引っ掛かりを感じた部分が2箇所ほど。
何度も推敲されているか、編集の校正能力が高いのか、または著者の元の文章のクオリティが高いのか。
オチのまとめ方も丁寧で良かったです。
個人的な好みで言えば、最後にもう一文ほしかったなという感じ。
また、子どもが主人公で文体もそれに合わせており、それが全体として一貫したまとまりを生んでいると思いました。
登場人物が非常に多いですが、重要な人物以外はサラリ流されています。
ですので、頭の中がごちゃごちゃすることも無く、中心人物にしっかりフォーカスが当っていました。
序盤、状況が少しわかりにくいところがあるのですが、読み進めていくと、あー、そういうことかと氷塊していく流れも良かったです。
タイトルとの整合性もしっかり回収されていて、プロットの段階でオチまでしっかりできていたのかなとも思います。
というのも、タイトルは2日目の午前中にフィックスする必要があるため。
つまり、2日目の午前中の段階で、綺麗にオチがイメージできていないと、このタイトルは決められないからです。
あえて言えば、もう少し段落を分けても良かったかもというぐらいかなと。
これは読みやすさというのと、段落分けをしてスピード感を少しゆるめるた方が、主人公の子どもらしさが出るかなと個人的に思ったからです。
まあ、このあたりは好みもあるかもしれません。
全体としてとても良くまとまっていて、素晴らしい作品でした。