
まったく、当家のお嬢様はに続いては、プレゼンが良かった六弦フェニクス!!。
紹介文
とある正月、中学一年生の北島は破格の値段でエレキギターを購入する。
BCCKS / ブックス – 『六弦フェニクス!!』(著)チャカノリ (編)千葉やよい (表紙デザイン)宮内梨央著
しかしこのギター、人間に憎しみを抱く不死鳥の魂が宿っており、
北島の肉体を乗っ取って人類滅亡しようと画策していた!!
果たして北島はどうなってしまうのか⁉
感想
エレキギターにのりうつっているフェニックスという設定が面白かったです。
内容も良かったですし、話のまとめ方も良いと思います。
文章に少しクセがあるので、そこは個性と読みにくさのトレードオフかなと。好みの問題でもあるので。
ここからは、あくまで個人的な意見ということで。
本作は、三人称視点で書かれています。
個人的には、そこが内容と合っていないように思いました。
三人称視点の場合、心情を書くのが結構難しいです。
なので、登場人物たちが発言しないと、何を考えているのかわかりません。
神視点という方法もあるので、このアプローチだったら、そっちの方が良かったかも。
というのも、個人的には、もっとフェニックスに喋ってほしかったなあと思ったからです。
主人公とフェニックスの掛け合いという感じで。
フェニックスの背景については書かれているのですが、あまりフェニックスが喋らないので、フェニックスの心情が見えず。
また、三人称視点だからだと思いますが、主人公の心情も説明的な感じで、もっと心情を口に出しても良かったのかなと。
そのせいで読んでいるときに、ずっと俯瞰して眺めている感覚が自分は抜けなかったです。
文章力はあるので、おそらくその点を変えたら、もっとグッとくるというか、共感できる物語になったような気がします。
また、ネタバレしてしまうので詳細は書きませんが、本作で一番の良いところというか、山場というか、そこがサラリと流されてしまったのも、個人的にはもったいないなあと。
あくまで、自分が編集だったら、そのあたりについて著者に話すかなあという感じです。
まあ、時間が短かったですし、隣のチームでギリギリまでいろいろとやっていたのを見ていたので、もう少し時間がほしかっただろうなあと思いました。
あと、プレゼンが良かったので、個人的な期待値が高かったというのもあるかもしれません。