
寄生移住の次は、豆木新さんのまったく、当家のお嬢様は を選択。
NovelJamの2日目、3日目に、会場が開く9時前に到着して待っていた方で、自分も9時前に到着していたのもあって、勝手に親近感を感じています。
紹介文
アルドが仕える主人のミレイユは才女である。若くして領主となり、数々の功績を残してきた。別格のカリスマ性と、海原の様に広い器を持つ「貴族の中の貴族」。だが、彼女に仕える者達はその功績に顔を顰めるのだ。――例え世界が異なっても、中間管理職は辛いらしい。
BCCKS / ブックス – 『まったく、当家のお嬢様は』(著)豆木新 (編)鈴木真生 (表紙デザイン)Kakakiki著
感想
ザ・ラノベという感じのテイストで、領主の無茶振りを、使用人である主人公がこなしていくという構図。
自分が書いた株式会社地獄 移住課と基本構造は一緒なのですが、方向性がまったく違っていて、楽しめました。
話の流れとしても起承転結がわかりやすく、転で予想外の出来事が起きて、結もしっかりという感じ。
わかりやすく王道的な内容です。
安心して読めるというのが本作の最大の特徴だと思います。
昔で言えば、水戸黄門的な感じ。
なので、パンチ力という点では、少し弱めな印象。
と言っても、自分が今まで読んだNovelJamの作品が、個性的ものが多かったので、余計にそう感じてしまったというのもあるかなと。
あと、これは時間的な余裕が無かったからだとは思いますが、文章の表現力で気になった点が少しありました。
個人的に面白なと思った表現技法があって、それはとても良かったのですが、逆にベース的なところで、もう少しこうした方が読者に伝わるんじゃないかなと思った点が、目立ってしまった感じかもしれません。
このあたりは、著者の個性として捉えることもできるので、変えたら良くなるわけではないとも思います。
なので、あくまで個人的に、です。自分が編集の立場だったら、こうした方がもっと読者に伝わるのでは?とを著者に意見はするかなという感じ。
出だしも少し構成を変えたら、もっと引きが強くなる気がしました。もう少し時間があったら、という感じかなあと。