濁る瞳で何を願う ハイセルク戦記 – 戦メインの異世界転生もので序盤はかなり良かった

投稿者: | 2023年6月12日

評価・レビュー

☆4/5

異世界転生戦記もの。平凡な男 高倉頼蔵は異世界転生しウォルムと名のり、ハイセルク帝国の兵士として戦い、特有のスキルを覚え強くなっていくという話。

異世界転生ものというと、最初から主人公が強かったり、特殊なスキルがあったりと、基本的に主人公の特殊性がメインの話になりますが、本作では序盤、特に普通の兵士という点が、個人的にとても良かったです。

ただ、途中からというか、スキルを覚え始めたら、段々と一般的な異世界転生ものになってしまったのが、個人的に合わなかったなあというのが感想。

個人的にはいろいろと知恵を絞り、準備をして、考え戦うという序盤の状態で話を進めてくれたら、最高だったなあと思いました。

というのも、話のほとんどが戦闘に関することがメインで、その点は非常に好みだったので。ほのぼのエピソードとかもあるにはありますが、あくまで味付け程度。メインは戦いで余計な話も少なく、戦ものが好きなら、とても楽しめると思います。

それ故に、俺強ぇ的なスキルを覚えてしまったのが、もったいなかったなあと。まあ、ジャンルとしてはラノベで、どうしても特殊スキルなどは王道展開なので、必須なのはわかるのですが・・・。

個人的には序盤のテイストの方が他の作品との差別化もできて、作品として良かったんじゃないかなあとは思いました。そうなると、あんまり売れないとは思うので、王道展開が悪いとは言わないのです。完全に好みの問題。

筆者の方がある程度お金持ちになって、余裕ができたら、本作の序盤のようなテイストで、重厚な戦作品を読んでみたいなと思いました。


リンク