仮面ライダーBLACK SUN – ツッコミどころ満載だが主演二人は格好良く、変身シーンはシビレました

投稿者: | 2022年11月19日

評価・レビュー

☆3/5

賛否というか、低評価がかなり多くて思わず観てしまった。

話としては、

50年前の闘争によって怪人と人間は共存していたが、未だに怪人差別が続いている現在。闘争に関わったブラックサン 南光太郎(西島秀俊)は隠棲し、シャドームーン 秋月信彦(中村倫也)は怪人組織に囚われ続けていた。

しかし、怪人たちが崇める始祖的存在 創世王の命運が尽きかけ状況が変わったことで、南光太郎と秋月信彦は50年前の約束を果たすべく再び動き出し、再会するもぶつかり合うことになるのだった。

みたいな感じ。

大人向けの仮面ライダーということで、全体的にシリアスな展開が多く、少しグロいシーンもあるのが特徴です。また、仮面ライダー ブラックのリブート作品でもあり、仮面ライダー ブラックの登場人物の名前や怪人が多く登場するのも本作の特徴かなと思います。

二人の演技、変身シーンは格好良い

主演の二人が個人的にはとても良かったです。特に変身シーンはかっこ良くてシビレました。また、仮面ライダー ブラックサンとシャドウムーンのビジュアルも良かったです。

怪人と人間の共存という設定も個人的には面白かったなと感じました。そもそも仮面ライダーの定義というか、根本的な要素というのは、

  • 同族同士の争い(怪人同士の戦い)
  • 親殺し(自身を生み出した組織を倒す)
  • 自己否定(自身も怪人)

だそうです(仮面ライダーシリーズ – Wikipedia)。まあ、新しい仮面ライダーはあんまり観てないのですべてに当てはまるかはわからないのですが、本作については非常にわかりやすい3要素な気がしますね。

逆に言えば、これが仮面ライダーの面白さでもあるのかなと個人的には思ったりしました。

ツッコミどころは多い

全10話という短さだからなのか、余計なシーンやキャラクターが多いからなのか、様々な要素を盛り込み設定を複雑にしようとしたからなのか、理由はよくわかりませんが、とにかくツッコミどころは満載です。そこは読者が想像してくださいということなのかもしれませんが、説明不足な点も多いと感じました。

個人的にもっとシンプルにした方が良かったのではないかなあと。

まあ、いろいろと書きましたが、主演の西島秀俊さん、中村倫也さんがとても良いのでお二方が好きならそれだけで楽しめる作品だと思います。

あとあんまり深く考えず、子ども向けにしてはちょっとグロいシーンがある仮面ライダーぐらいに思って見るのが良いかなと。

あらすじ

時は2022年。国が人間と怪人の共存を掲げてから半世紀を経た、混沌の時代。差別の撤廃を訴える若き人権活動家・和泉葵は一人の男と出会う。南光太郎──彼こそは次期創世王の候補、「ブラックサン」と呼ばれる存在であった。50年の歴史に隠された創世王と怪人の真実。そして、幽閉されしもう一人の創世王候補──シャドームーン=秋月信彦。彼らの出会いと再会は、やがて大きなうねりとなって人々を飲み込んでいく。(C) 石森プロ・東映 (C) 「仮面ライダーBLACK SUN」PROJECT

アマプラ:仮面ライダーBLACK SUN

2022年作品。アマゾンプライム独占配信。仮面ライダー生誕50周年記念作品。

ちょっとネタバレ的な感想

前述したように本作ちょっとツッコミどころが多い印象です。個人的に非常に気になった点だけピックアップしてみました。

大人向け?

個人的に一番???と思ったのは、ヒロイン的な存在の和泉 葵(平澤宏々路)が創世王になれるかもしれない点。。。

いやキングストーンを埋め込まれたブラックサンとシャドウムーンじゃないと創世王を継げないんじゃないの?って思いました。

創世王候補って説明もされてるし、本作って何だかんだ言ってもその二人の戦いがメインなのでは?と思ったのですが、普通に他の怪人でも創世王に成れるなら二人が戦う意味が・・・。

まだ和泉 葵の出生が特殊だったらわかるのですが特にそういうわけでもなく、たまたま強い力を持っていただけという感じ。もしかしたら裏設定で何かあるのかもしれませんが、劇中では彼女の特殊性については触れられていませんでした。

他にも気になったところというか、説明が足りてないところが多いです。

しかし、そもそも子ども向けの作品で細かいことは気にするなというのであれば納得がいきます。

つまり、大人向け仮面ライダーと銘打ち差別をテーマにしているとは思うのですが、表層をなぞっているだけでグロい表現ありの子供向けの設定というのが正しい理解なのかなと。

政治思想?

低評価レビューを観ていると政治思想に対しての批評が多いようですね。テコンダー朴という漫画作品と似ていると言われたりもしているようです。

言うなれば怪人=韓国人でそれを差別している日本人みたいな構図。

まあ、言いたいことはわからんでも無いですが、最後の方に外国人排斥のデモのシーンがあるので、どちらかというと怪人=外国人なんだろうなと。

で、たぶんそれ以上でもそれ以下でも無いんだと思います。そこに深い考えってあんまり無いのではというのが個人的見解です。それが前述した子ども向けの設定という話にもつながってくるのかなと。差別良くないよねというメッセージだけで、それ以上深堀りする気は無いという意味です。

テロ容認?

これもいろいろと意見はあると思います。ただ、そもそも論として切り分けて感がないと駄目なのではないかなと。例えば世界的にヒットしているワンピースという漫画がありますが、主人公たちは海賊なんですよね。そしてそれに対して誰も反社会勢力だから良くないというツッコミはしてませんし、海賊を容認しているわけでもありません。だってフィクションだもの。

本作もそんな感じかなと。

彼らが最終的に義賊になるのか、それともレジスタンスになるのか、それともヒーローになるのかはわかりませんが、社会から離れて組織を作るというエンディングなわけです。

だからテロを容認しているというのは、いささか飛躍しすぎてるかなと。。。じゃないとワンピースの作者やワンピースが好きな読者は海賊を容認しているということになっちゃいます。そんなわけないですよね。

また最近観た映画で囚われた国家という作品はアメリカが異星人に侵略され人類の一部がレジスタンスを結成しテロを起こすという内容でした。本作を作ったから、本作が好きだからテロを容認しているという話ではないよなあと。

そこは切り離して考えるべきかなと個人的には思っています。

ちなみに海外ではそこそこ好評だとWikipediaには書いてありました。

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