マンガ 十字架のろくにん ちょっとやりすぎ感はある いじめリベンジ物 好みは出る作品

投稿者: | 2022年7月11日

評価・レビュー

☆4/5

酷いイジメを受けていた小学生 漆間俊が、時を経てイジメをしていた5人に復讐をするという話。結構グロいシーンや胸糞が悪いシーンが多いのでスカッとするという感じではなく、ダークヒーロー的な感じなのかなと。

若干引き伸ばし感はあるものの、なんだかんだと面白く1部完みたいなところまで読みました。

万人に薦められる作品ではないですが、いろいろと考えさせられる作品。

話としては

“実験体A”と名付けられ、同級生5人から嬲られる日々。小学6年生の漆間俊は、壮絶ないじめに苦しむ「地獄」の中にいた。だが、そこには兄想いの弟と、子を守る父母という「救い」があった。あの日、5人の化け物たちが、鬼畜の所業で家族を奪い去るまでは……。やがて、全てを失い、真の地獄を見た俊の中に暗い「願い」が宿った。戦時中、秘密部隊に所属した祖父の指導の下、生まれ変わる少年。そして4年が経った時、彼は因縁の敵の前に姿を現す……。この復讐は誰にも渡さない。

十字架のろくにん(1) (マガジンポケットコミックス)

中武 士竜先生の作品で一度打ち切りも、Webで再開後、重版出来で人気が出てきた作品。進撃の巨人を生み出した「あなたの絶望を描いてください」というテーマの「絶望コンペ」を通過しています。

いじめというか

ストーリー的にはいじめの復讐ではありますが、いじめや復讐が度を過ぎている感はあり、そのあたりは結構賛否が分かれそうな印象です。

絶望コンペということで、かなり主人公を追い込む必要性はあったのかなとは思います。

そのあたりの設定が受け入れられれば、面白く読むことはできるのかなと。それでも、後味が良い作品ではないのと、カタルシス的なものも無いので、評価は上がりにくいかも。

本作では主人公をいじめる側のキャラクター設定はわかりやすくて良かったかなと思います。

意味のない悪意

特に主犯格については意味のない悪意的な感じがあり、いろいろと考えさせられます。

意外と世の中って、こういう意味のない悪意で動いている人達がいるかなあと。一番近いのは自分自身の正義を疑わず対話を拒否する人達。

で、そんな人達に対して対処法というのは存在せず、本作では向けられた悪意を復讐という形でしか返すことができないのと、悪意を返したとしても自分自身が同じ領域に入ってしまうというジレンマもあったりするわけで。そのあたりがダークヒーロー的な感じかなと思いました。


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