評価
☆5/5
ずっと前から気になっていた水滸伝についてもざっくり知っておきたいなと思いチョイス。いやあやはり横山光輝先生の作品は安定感があって良いですね。
余計な描写が少なく、ザクザク話が進むのでサクサク読めるのでざっくり知るには最適。横山光輝先生には感謝しかないです。
マンガということで水滸伝の取っ掛かりとして良書で、巻数も全8巻(文庫版は6巻)なので三国志などに比べれば読みやすいです。
話としては
北宋末期、高俅を始めとした官吏たちによって国は腐敗しきっていた。罪人たちは徒党を組み盗賊をしたりしていたが、その中で梁山泊に集まった者たちが力をつけはじめる。そんな梁山泊へ汚名を着せられた者たちが次々と集まっていき、義を通し悪徳官吏を倒す義賊へと変わっていくのだった。
水滸伝というと108星、つまり108人の英雄が登場しますが、本作では全員は登場しませんし、エピソードが割愛されているものもあるそうです。ただ、それでも最初に読む水滸伝としては十分かなと。登場人物がとても多いこともあって、名前を覚えるのも大変。そういう意味でもある程度割愛されているため、情報過多になりにくいボリュームかなと思います。
子ども向けに作られた作品ということで、性的な描写もある程度押さえられています。そのあたりも良い点かなと思います。原作を知っている方だと物足りなさはあるかもしれませんね。
調べてみると横山光輝先生の歴史物作品の最初のマンガだそうです。この段階から作品全体のコンセプトがしっかりしているのがわかりますね。
また、横山光輝作品ではちょいちょい原作とは異なる点も出てきます。ストーリー上のつじつま合わせや、子ども向けということでわかりやすさを重視したことからかなと。