評価
☆5/5
原作未読。最近流行りのよくある異世界転生ものと思いきや、アニメーション作品としての出来がとても良く、第一期、第二期とも全話観てしまいました。
個人的に雑食なのでいろいろな作品を観ます。異世界転生ものもチョコチョコみているのですが、大体途中で断念することが多いです。
そんな中で最後まで観ることができたのはアニメの出来が良かったからかなと。
話としてはよくある感じ(そもそも本作は異世界転生ものの走りだそうで)。無職の男が事故で死んで異世界に転生。前世の記憶がある状態なので強くてニューゲームができる的な話。
まあこの手の話よろしく、妄想全開的なところはありますが、全体的にアニメーションのクオリティが高くて、それを観ているだけでもすごいなと思わせます。
個人的に一番驚いたのは、OPとEDの曲の時にも、その話に関係のあるアニメーションが毎回作られている点。ぶっちゃけて言えば、アニメーションもビジネス。だから上手いことやって尺を稼ぐというのは制作費にも関係ありますし、アニメーション制作においては重要なポイントです。
ところが本作では真逆の手法を取っているわけです。OPやEDのアニメーションはストーリーにおいて重要な内容ではありませんが、その世界観を読者に伝えるに十分な内容になっています。この手法によって物語に奥行きがでるわけです。素晴らしいの一言。
OPやEDが変わるアニメはありますが、重要な話数の時や前回の話の挿絵などのレベルで、ここまで凝ったものは個人的に観たことがありません。
で、その上で本編があるわけで、その本編も手抜きということもなく、全体のレベルがとても高いです。制作陣の力の入れようがビンビン伝わってきます。
まあそれでも異世界転生ものよろしく、俺強ぇー的な要素やハーレム的な要素などがあり、観る人によっては不快に感じることも多いかなと。
それでも作り手側の熱量を考えれば☆5を付けたい作品と個人的に思います。
まあそもそも論として、マンガやアニメなどは妄想が入るのが普通。異世界転生ものについては男の願望や妄想が入っていますが、例えば少女マンガは女性の願望や妄想がバンバン入っているわけです。そういう意味では、男性の願望や妄想が入っているから評価が低いというのは、ちょっと正しくないかなと個人的には思っています。
そういう描写に不快な印象を持つ人がいるのはわかります。ただ、すべての表現において、すべての人が不快に思わない作品というのは存在しません。
また、個人的にはここまで力が入っている作品はあまり観たことがなく、その素晴らしさを知ることができないのはもったいないかなと思っています。