アニメ「86-エイティシックス-」が存外に面白いのですが、レビューを見たところコードギアス 亡国のアキトのパクリだという指摘があったので、ちょっと調べてみました。
似ていると指摘されている点
原作のラノベのパクリ指摘は、
- 差別された人間が数字で呼称されている(11と86)
- 兄弟の戦い
- 指揮官が女性で、差別された人間が戦闘をする
- 差別された人間で部隊編成(wZEROとスピアヘッド)
- ヒロインの名前が似ていて少佐(レイラとレーナ)
- 主人公の名前(異母兄がシンと愛称がシン)
- 似ているシーンがある(ヒロインがパーティーで男を寄せ付けない格好をする)
- ヒロインの父親が亡くなっており上官は父と友人
- BRS(ブレインレイドシステム)と知覚同調
- 4足歩行のロボット(アレクサンダーとジャガーノート)
という感じ。たぶん、他にもあると思いますが、たしかにアニメを観ていると似ていると指摘されても仕方がないかなと思います。
似ているようで違うところ
上記似ている点で実際には違う設定は、
- 差別の設定が異なる(難民と自国の有色種)
- ヒロインの性格
- 仕方なく戦う11と自分たちに誇りを持って戦う86(国の有り無し)
- BRSはニュータイプ的、知覚同調はシステム
- アレクサンダーはガンダム的だが、ジャガーノートはジム的
という感じ。
また、86は戦争物というよりも異星人侵略物に近い話で、亡国のアキトは戦争物なので、かなり方向性が違います。
差別の設定が異なる大きな点は、86では指揮官は86と会ったことすら無いですが、亡国のアキトでは主人公とヒロインが一緒に行動し、普通にパーティーにも出ています。ですので、差別というよりも区別という方が正しい表現かなと思います。
設定は似ていますが、アニメ作品としても演出など含めてかなりテイストが違うので、観た印象は全然異なるでしょう。
個人的見解
ぶっちゃけて言えば、86はコードギアス 亡国のアキトに影響をかなり受けているなと感じました。原作者が意図していたか、意図していなかったかはわかりませんが、少なくともコードギアス 亡国のアキトを知っていたと思われます。
パクリと言われても仕方がないかなと思いますが、盗作ではないかなというのが個人的な見解。リファインして、オリジナル要素を入れ込んだ感じかなあと思います。
例えばガンダムとエヴァ
アムロと綾波がレイで共通、少年が主人公(碇シンジ14歳、アムロ・レイ15歳)、巨大ロボットもの、いきなりロボットに乗ることになる、父が作ったロボット、主人公がいじけたり逃げ出したりする、最初の戦闘で弾切れるなど、ガンダムとエヴァンゲリオンには共通した点がありますが、パクリとは言われないですよね。
でも確実にエヴァンゲリオンはガンダムの影響を受けていますし意識をしています。それは庵野秀明監督が「エヴァってロボットアニメなんですよ」 と語っていることからも伺えます。
ということで、パクリとは明確には言えないかなと思います。特に序盤は似ている感じはありますが、すぐに方向性が分かれていくので影響はかなり受けているものの盗作ではないと思います。これを盗作と言ってしまうとエヴァも盗作と言わざるを得ないので。
他にもミスト、スクリーマーズ、カオス レギオンの影響を受けていると作者は語っていますし、進撃の巨人や鉄血のオルフェンズの影響もちらほら感じることができます。個人的にはアルドノア・ゼロ感を感じました。
現代においては完全なオリジナル作品というのを作るのが難しいです。人間ですから何かしらの影響を受けますし、そもそも小説家になるような方は本が好きなわけでかなり本を読んでいるでしょう。そう考えると、まあ影響を受けない方がおかしいのかなと思います。