5次元チェス(5D Chess)とは
5次元チェス(5D Chess)は、通常のチェスにタイムラインが加わったチェスです。Steamで販売されています。
タイムラインが加わったとはどういうことかというと、過去の盤面がすべて残っていて、そこに戻って手を打つことができるということです。
さらに、過去に戻って手を打った場合、盤面が消えるということは無く、新たに分岐して盤面が増えていきます。
5次元チェスが面白いのは、単純に過去の盤面で手を打てるだけでなく、駒を過去に戻すことができるという点。
つまり、盤面によっては駒の数が異なるという点です。なかなか表現が難しいのですが、頭がこんがらがってしましますね。
こちら英語の説明動画ですが、図でいろいろと出てくるのでゲームを理解するのに役立つと思います。
デジタルならではのボードゲーム
ボードゲームというと現在でもアナログが主流です。基本的にはアナログ版がリリースされて人気が出たボードゲームがデジタル化されるというのが流れになります。ですのでデジタルボードゲームらしいゲームというのは少ないです。
しかし、5次元チェスはまさにデジタルボードゲームの新しいカタチかなと思いました。5次元チェスは盤面がものすごく多くなります。これをすべてアナログで表現しようとすると、スペースがいくらあっても足りません。つまり、デジタルだからこそ実現しやすいゲームシステムと言えます。
AIが苦戦
羽生善治棋士がAIがどんどん強くなっていてプロが負ける状況になってきた中で、ルールを1つ追加すれば今のAIには対応できないということをおっしゃっていました。これはまさに今のAIの欠点をズバリ指摘しています。アルファ碁であっても、新しいルールを追加したら改めて学習する必要があり、まったく対応できないのが現状です。
そういう意味で5次元チェスのように新しいルールが追加されたチェスは、今のAIですぐに対応するのは難しいかなと思いました。5次元チェスが難しいのは過去の盤面もあり、駒の数が通常の棋譜にはない数の場合もあり、単純に学習させる難しさがあります。将来的にはそれらすべてを学習データとして持つこともできると思いますが、直近ではデータが多すぎて現実的ではないかなと。
そう考えると、この手の新しいルール追加して楽しむことができるのは、今のところ人間だけができることなのかなと思いました。