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評価・レビュー
☆5/5
女優 小島聖さんのネパール、フランス・モンブラン、スイス・マッターホルン、ジョン・ミューア・トレイル、アラスカなどの旅、登山、トレイルの日記風エッセイ。
ストレートな表現が多く、逆にそれがダイレクトに大自然に対する思いというか、考えが伝わってきて、とても良かったです。
また、現地での写真もあり、間接的ではありますがその場の雰囲気を味わえるのも本書の良い点。
現地で食べたものや、料理のレシピなども載っていて、日本との違いや、山登りやトレッキングでの大変さを感じることができました。
また、1つの話というか、日記風なので、1つの話題が短く、ちょっとしたスキマ時間に読めるのも良いところ。
以下は、本書を引用しつつ、個人的なメモ。
自然は逃げない。いつもそこにある。けれど、変化はしている
自然は逃げない。いつもそこにある。けれど、変化はしている。
変化をしている私も、そんな自然の中で、その時々を楽しんでいきたい。
自然は常に変化し、当然自分も変化していく。
その変化を楽しむことが人生なのかもしれないなと思いました。
自然を受け止めるには、自分をスポンジのようにしておかなくては前に進めない
そして自分の価値観、常識を押し付けてはいけない。心身ともに柔軟に、時には水に流されるように委ねないと、結局自分が置いてきぼりをくらう。特に自然を受け止めるには、自分をスポンジのようにしておかなくては前に進めない。
自分は最近、自然に触れることはないのですが、小さい頃は、山に行ったりもしていました。
小島聖さんの体験とは比べ物にはなりませんが、スポンジのようにしておくという考え方は、非常に納得できると言うか、共感できるなあと。
自然だけではなく、あらゆる物事に言えるかも知れません。
前述したように、変化していくことが当たり前。それが自然。
だから、日々の生活においても、固定観念に縛られないことが大切なのかなって思います。
間違っていたら、謝って修正する。
そういう人間でありたいなと。
自分の考えに固執しすぎて、道を見失わないようにしたいと改めて思いました。
強がっている方がカッコ悪い
それまでは若気の至りか、旅に出てまで日本食を食べている人たちをちょっと鼻で笑っているところがあった。でも強がっている方がカッコ悪いということを、体験から実感したのだ。
ベトナムに開発拠点を作れと言われて、ベトナムに何度か渡航したのですが、その時に日本食のありがたみを感じました。
あと、マクドナルド(笑)
現地の料理がマズいとかそういうわけではなくて、本書にも書かれていますが、
やっぱり私は日本人。何かあったときはますます日本食が力をくれる。
なんだよなあと。
まあ、これは三つ子の魂百まで的なところもあるんだろうなと思います。
小さい頃から日本食であれば、自然と身体がそうなっていくというか。
だから、今の子どもたちというのは、小さい頃から洋食が普通でしょうし、海外に行っても、そこまで日本食を食べたがらないのかもしれないとぼんやり思ったり。
どれだけの時間を過ごしても、自然に慣れることはない
どれだけの時間を過ごしても、自然に慣れることはない。
自然についてとても良い表現だなあって思いました。
自然に対する、畏敬の念的なものもあれば、自然に対する興味の意味もあるでしょうし、自然に対してちゃんと向き合っているという印象もあります。
この短い文章で、いろいろなことが伝わってきて、個人的には名文だなと思いました。