AI分析でわかった トップ5%社員の習慣 書籍レビュー

投稿者: | 2022年2月2日

評価

☆4/5

まず「AI分析でわかった」とタイトルにありますが・・・、それほどAI分析の話は出てきません・・・。その点で☆-1。

それでも内容としては興味深い点が多かったです。というか、結構自分が実践していることが多く、それらの裏付け資料としても使えそうだなあと感じました。

個人的に5%の社員の習慣として面白かったのは、

  • 「自分がわからないことがある」という前提で他者から知見を獲得しようとする(知ったかぶりしない)
  • 人間関係構築において自分の弱みをさらけ出す(自己開示)
  • 失敗を成功へのステップと考える

です。

知ったかぶりしない

これはビジネスの現場だけではありませんが、特に男性において知ったかぶりする人がかなり多いです。これは知らないことは相手よりも自分が下と考えているため。男性というのはプライドが高い人が多く、他の男性よりも自分が上であることで安心します。そのため知ったかぶりをするのです。自分も若い時はそうでしたが、きっかけがあり考えが180度変わりました。

知ったかぶりは単純にコミュニケーションを悪くする要因でもありますが、仕事においてもマイナスになるというのは知っておいて損はないかなと思います。

自分の弱みを話す

いきなり弱みについて話すわけではなく、ある程度人間関係ができてから話す前提ですが、自分の弱みを他者に話すことのメリットについていろいろと書かれていました。

1つは弱みを相手に話すことで、相手も弱みを話してくれる(返報性の原理)ことで、信頼関係が増すというもの。これはビジネスの場だけではなく、日常生活でも使えるテクニックの1つです。自分の場合、初めて部下を持った時に全くうまく行かず、もうどうにでもなれ!と思って部下に悩みを話はじめたら部下との関係性が良くなりました。

2つ目に弱みを人に話すことで自分の弱みを整理できるということが書かれていました。これは確かにそうですね。自分では意識していませんでしたが、確かに自分自身を分析する時に自分以外の視点や考えというのは大切だと思います。

失敗は成功の元

5%の社員は「失敗は成功へのステップ」と考えている人が多いという話。これも個人的には実感としてあります。

自分の場合、ベンチャーと言われる小さな会社で働くことが多かったので、する事なす事初めてのことばかりでした。やったことが無いからできないと止めてしまうと何も起きません。ですので、何でもチャレンジをしてきました。失敗も多かったですが、それによってノウハウが蓄積され、仕事の効率も上がりますし、自身の仕事の幅も広がりました。

ただ、日本人は遺伝子的に新たしい事へのチャレンジをしにくい傾向があるという論文を昔読んだことがあり、なかなかチャレンジしにくいのが実情。ですので、結構意識してチャレンジを選択しないと、なかなかチャレンジできないようにも思いました。

上司の影響は大きい

本書で自身の身の処し方がメインに語られていますが、個人的には重要だと思ったのはやはり上司の存在。

上司が昔のような考えでおべっかを使う社員などを重用したり、資料の量で仕事の成果を図ったり、100%完璧な計画書でないと承認しなかったりするような人だと、どれほど個人が頑張っても成果は出ないと感じました。

本書の言葉をそのまま借りれば

優秀なリーダーが存在してないプロジェクトでは基本設計や行動プランを練ることに時間をかけ、スタートが遅くなる

という点。

自分が経験した大企業の上司は、計画書を練ることに執拗に固執していました。何度もリテイクがあり、合計で費やした時間は30人日を超えます。で、それでいざ計画開始!となったら、上司の上司が突然別なことを言い出して、全計画が狂いました。後は後手後手に回っててんやわんやです。

で、その点を活かし、次の計画書の際には上司の上司に話を聞いて計画を作りましょうと提案しましたが、一切受け入れてもらませんでした。そして再び同じ惨劇が繰り返されました。

完全に部下にはどうしようも無い状態です。

別な部署の部長さんから聞いた話では、「自分の上司は何故俺に話をして来ないんだ?」と上司の上司がボヤいていたそうです。。。そのことも話しましたが上司は一行に上司の上司と話をしようとしませんでした。

もはやお手上げ状態です。

そういう意味で上司の存在はとても重要。上司が一切話を聞いてくれなければ、どうしようもありません。

個人的には1年半かけて、上司の行動について少しずつ変えていくための努力をしましたが、結局タイムオーバーで完全に変えることはできませんでした。

それでも、当初よりも部下と話をする機会が増えましたし、部下に弱みを見せることもしてくれるようになったのでかなり改善はされたかなと思います。

トップ5%の管理職は感謝を伝える

本書で上司の大切さがわかる内容としては、トップ5%の管理職はその他の管理職の人よりも4倍以上感謝の言葉を述べていたそうです。単純に感謝だけでなく、承認や労いの言葉も含まれます。

感謝の言葉を伝えるのは誰でもできることなので、管理職の方はぜひ実践して欲しいなと。

自分も元々は苦手なことでしたが、ある時からかなり意識して感謝の言葉を伝えるようにしています。特に男性の方は苦手な人が多いようです。前述したように男性の多くは自分が他者よりも上にいることに安心感を覚えるため、感謝するというのは相手を上にする行為になってしまい、居心地が悪いのです。

その場ではそのように見えるかもしれませんが、感謝をちゃんと伝える姿は周りの人からの評価が高くなります。逆に感謝を伝えない人は評価が下がっていきます。それは目に見えた数値で表されるものではありませんが、確実に心の中の評価を変えていくものです。

ですので、多くの管理職の方に実践してほしいなと思います。


心理効果などのメモ

ザイオンス効果(単純接触効果):繰り返し人と接すると好感度が上がる効果

プレマックの原理:習慣化された行動の前に新たな行動を入れることで、新たな行動をしやすくなる法則

イエスセット:会話にイエスを増やすと相手が反論しにくくなる心理話法

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