#NovelJam2025 黒い柚子と青い鬼 シークヮーサーはまだ微かに甘い – 読みやすさとテーマは良かった

投稿者: | 2025年10月22日
株式会社地獄 移住課 ¥259(ジゴク)で販売中

ノボとちぎれたふたつの世界の次は、黒い柚子と青い鬼 シークヮーサーはまだ微かに甘いをチョイス。

紹介文

沖縄で生まれ育った嘉陽なぎは、地元を離れたくて仕方なかった。大学で「鬼」の研究をしていたなぎは、鬼の祭りをきっかけに長野に移住することに。そこで出会った古文書をもとに伝統銘菓を復活させることになるが……。

BCCKS / ブックス – 『黒い柚子と青い鬼 シークヮーサーはまだ微かに甘い』(著)河嶌太郎 (編)上原 さんじ (表紙デザイン)吉田彩乃著

感想

地域おこし協力隊員として沖縄から長野へ移住した主人公が、様々な経験を経て成長していく物語。

読みやすさもあって、さっくりと読めたのは良かったです。

また、本作にはテーマが別にあって、題材としては哲学対話などでも語られることなので、面白いなと思いました。

一方で、黒い柚子と青い鬼というタイトルのキーワードは、物語のエッセンスで、テーマとの関連性の薄さが少し気になった点。

これはあくまで個人的にですが、テーマは逆に押し出さない方が良かったのではないかなと。

テーマを強調することで、読者がテーマにフォーカスしすぎてしまうというか。

話の軸とかを変えるわけではなくて、単純にテーマを強調しないだけで、もう少しスッと話が入ってくるということです。

同じように、強調している単語が他にもあったのですが、それが主題なのかな?と思うと、特に関係なかったりもしたので。

あくまで、自分が編集だったら、この点は確実にツッコムかなと思いました。

ただ、冒頭で書いたように、読みやすさはとても感じたので、長編だったら、また印象が変わるかもしれません。

どうしても短編だと書ききれないことが多いので、本当は黒い柚子や青い鬼が、本作のテーマと大きく関わっている裏設定があるかもなと。

そういう意味でも、やはり長編の方が向いているようにも思いました。

あと、完全に余談ですが、自分の書いた株式会社地獄 移住課の主人公は青鬼なので驚きました。

著者間では、同じチームの人でなければ、お互いに何を書いているかは知らないので、完全に偶然です。

なので、ちょっと親近感が湧きました。

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