ひとりビジネスの教科書 Premium 自宅起業でお金と自由を手に入れて成功する方法 書籍レビュー

投稿者: | 2022年2月6日

評価

☆4/5

特徴的だと感じたのは、「ひとりビジネス」はひとりでやるビジネスではありません!と述べている点。ビジネスを大きくしていくには、1人では限界があるということです。このあたりは全文読まないとニュアンスがわかりにくいかもしれません。

本書では物を売ったりやサービスを提供してビジネスを始める際に必要なことが網羅されまとめられています。ですので、この手の本を様々読んでいる方なら、知っている内容がほどんどです。

また、ひとりビジネスというタイトルですが、組織で新しいビジネスや新しいプロジェクトを立ち上げる時にも使える内容が多いです。Webやインターネットに関する情報も少し取り上げていますし、わかりやすくまとめられているので、フリーランスや副業を考えている人以外にもおすすめ。

これは個人的にですが、意識が高い人、意欲が高い人には刺さる内容だと思います。内容的には☆5としても良いのですが、ネット関連の話は微妙な感じでしたので☆-1。


余談:起業マニュアル

起業については、例えば独立行政法人の中小企業基盤整備機構が運営する中小企業とその支援者、創業予定者とその支援者のためのポータルサイト J-Net21にも起業マニュアルがあります。

起業するまでのステップ | 起業マニュアル | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

内容はよく出来ているのですが、なかなか読みづらいですよね。そういう意味で起業の最初のとっかかりとしても本書は良いかなと思いました。

個人的学び

個人的な新たな学びとしては、

  • テーマを決める「AからBへ変わる」方程式
  • ビビサク:ビビッと感じたら、サクッと行動する
  • さわズー:さわやかな、ズーズーしさ

という感じ。

テーマを決める「AからBへ変わる」方程式

本書ではビジネスをはじめる際に「誰に(対象) x 何を(テーマ) x どのようにして(手段)」を決める必要があると述べています。これはWho、What,How(5W1h)のことです。

どれも大切ではあるのですが、テーマを決めるのが結構難しいです。本書ではテーマと手段を取り違えることが多いと書かれていますが、これはまさにその通りですね。テーマというとわかりにくいかもしれませんが、目的と手段と言い換えれば昔から言われていることだとわかります。

そんな時に「AからBへ変わる」方程式を使うと簡単にテーマを決められるそうです。例として、A=子育てで悩んでいる人、B=子育ての悩みが解消してすっきりした人を挙げています。つまり、何かを提供することで、Aのマイナス状態からBのプラス状態に変わるという話。本書ではプラス・マイナスに付いては書かれていませんが、個人的に足してみました。まあ、プラスの状態をマイナスの状態にするビジネスも無くはないのですが・・・あんまりね。

ビビサク:ビビッと感じたら、サクッと行動する

ビビサクという言葉がとても良いなと思いました。次のさわズーもそうですが、よいフレーズだなあと思います。

ビビサクは著者のオリジナルの言葉。言葉の通りの内容で、所謂すぐ行動するための行動習慣。過去の経験からうまく行った時には迷いが無かったのでは?と筆者は述べています。また、迷って行動した時には後悔したのでは?と書かれており、「迷ったらやめる」ことを勧めています。

まあ確かにそういうイメージはありますね。しかしながら、実際にはこれは個人の経験に寄るかなと思います。

まず、人間はネガティブな事を結構覚えていることが多いです。ネガティブな経験を記憶しやすいと言ったほうが良いかもしれません。何が言いたいかというと、迷って行動した時にうまく行ったこともあるかもしれないという話。

自分の場合、機動警察パトレイバー劇場版で篠原 遊馬の「いえ、どうせ後悔するんだったらやらないよりやった方がいいです」というセリフに影響を受け、基本的には何でもガンガン突き進むタイプでした。いろいろと振り返ると成功もあれば失敗もありましたが、普通は経験できないことを多く経験できました。

その経験から、「迷ったらやれ」というのが個人的感覚です。というか、正確には「迷っている時間がもったいないのでとりあえずやろうぜ」的な感じ。当然リソースが無ければ出来ないので、リソースの確保が重要ですが、あーだこーだ完璧な計画を立てるのに時間をかけるより、まず手を付けてみて、実際の感覚を掴んでから計画の修正をしていくのが良いと思っています。その方が計画をより具体的に立てられるからです。

またちょっとやってダメだなと思ったらすぐ止めます。個人的にはそれが知見になるという考えです。つまり失敗した経験が役に立つということ。このあたりは人によって違いはあるでしょうね。

まあ何せよ、感覚だけというのは危険な気はしています。後悔については本人次第のところもありますしね。

さわズー:さわやかな、ズーズーしさ

いやあ、これはめっちゃ大事だと思います。とくに「さわやかな」という点。これがめっちゃ難しいんですよね。

ビジネスを始めるにあたってズーズーしさというのはとても大切です。遠慮しまくってると、何も起きないから。

ところがズーズーしくしすぎると、周りから嫌われてしまいます。本書でもひとりビジネスの本質はファンビジネスと書かれており、チームを作るにしても顧客にしても人が重要だと述べています。

ですので、適度なズーズーしさが必要なわけですが、それを著者は「さわズー:さわやかな、ズーズーしさ」と表現しているわけです。で、「さわやかさ」を如何にしてだすのかは、とても難しいかなあと。個人的にはこれがうまく出来ていないと感じています。

「さわやかになりたい!」

私的メモ

フリーランスのデータ

  • アメリカ フリーランス人口 5700万人 全米労働人口の38%(2019年10月 フリーランス実態調査 Freelancing in America)
  • 日本 フリーランス 341万人、就業者人口 6620万人の約5%、うち112万人が副業(2019年7月 内閣府発表)

コア・メッセージ:「あなたが何をしようとしているか」をみんなに伝えるキャッチコピー

松竹梅の法則を利用した価格設定:自分も現場で学びましたが、商品の値付けを3段階にするという方法。結果として中間の値段帯である竹が一番売れるという話。ゲームの世界でも結構ありますよね、デジタルデラックス版、アルティメットコンプリート版みたいな。まあ、値付けはもう少し変えた方が良いとは思いますが、近いところはあります。

フリーミアムモデルはひとりビジネスではうまくいかない:基本うまくいかないのは同意。自分はIT業界にいて1人ではじめてフリーミアムモデルで上手くいっている人を何人も知っていますが、フリーミアムでうまくいく可能性があるのはWebサービスだけでしょうね。それ以外では上手くいかないでしょう。本書では資本が必要と書かれており、その資本の中では人的リソース(時間)が一番影響があるかなと思います。それをソフトウェアが代替できれば上手くいくかなと。

無料セミナー:クレクレ星人が増えるだけ。まあそうですね。

Webサイト作成ツール:ジンドゥー(Jimdo)ウィックス(Wix)ベイス(BASE)が紹介されていましたが、それぞれ違いがあるので注意。物を売るのであればベイス一択かなと。1つのプラットフォームで完結できるので管理が楽です。サービスならジンドゥーやウィックスで、購入サイトに流す感じ。管理するサイトやプラットフォームが増えるほど大変になるので、実は結構重要です。Wardpressも紹介されていましたが、かなり知識がないと厳しいので止めた方が良いでしょう。著者の場合はその手のことを全部、チームの他のメンバーに任せているようなので、そういう方が良いです。

ストリームヤード(Stream Yard):ライブ配信スタジオ。テレビ番組のようにとありましたが、レイアウトをリアルタイムに変更したり、テロップなどを出したりできるということ。また、複数のプラットフォームに同時配信もできるようです。カメラで映像を流すタイプで、言う慣ればZoomで配信しよう的な感じ。Zoomよりも配信に関する機能が豊富なのが特徴。Chrome限定なので注意。上記も含めて著者はネットに詳しくは無いので、あくまで参考程度に。

最強の集客は紹介:集客のカリスマ、ジェイ・エイブラハム、ダン・ケネディの結論。でキーパーソン(有名人)に紹介してもらおうという作戦。

ソフトバンクはコラボ戦略で大きくなった:他にも理由はありますが、確かにそうですね。コラボには良い効果が多そうです。

バイラル・マーケティング4つの方法は

  • アフィリエイト
  • キーパーソンの紹介
  • 割引・プレゼント
  • ネタ動画

だそうです。他にもありますが、まあ蛇の道は蛇ということで。

集客にこくちーずプロ:久しぶりに見たら、雰囲気が変わっててびっくりした。

販売手法:クロスセル(同時購入提案)、アップセル(高額商品提案)、ダウンセル(安価商品提案)。納得して買ってもらうための方法の1つ。

メルアドは資産:一昔前に流行りましたね。今だとLINEとかもあるだろうなと。

法人化:安易にすると痛い目を見る。はい、実感しております(笑)

専用オフィス:利益が潤沢になってからで。そうですね、これはサイバーエージェントの藤田晋社長が成功して、最初にでかいオフィスを構えた成功話の影響もあるかなと。というか、そう言って大きなオフィスを構えたベンチャー系社長に何人も会いました。

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