大衆が制御できないから個人の利益に走り、政治の腐敗を生むのではないか?

投稿者: | 2025年1月31日

個人的に考えたことをつらつらと。

「歴史は繰り返す」理由は、大衆が愚かだから

多くの人は失敗することで、二度と失敗しないように反省するなり、改善するなりする。

まあ、何回か同じ失敗をすることはあるかもしれないけど。

でも、それが大衆になると話が変わる。

大衆は同じ失敗を何度も繰り返す。

これは一般聴衆という意味ではなくて、国家全体と言った方がよいかもしれない。

歴史を紐解けば、権力を得た者が、急に我が物顔で振る舞うようになったり、不正を働き利益をえようとしたりして、歴史に汚名を刻んでいる。

多くの人は、そうならないようにと子どもの頃に思うはずだが、なぜか権力を得ると同じことを繰り返すのだ。

政治は腐敗する。

事実として存在するのはそれだけなのだ。

もちろん、良い権力者がいたことは否定しない。

それは大衆が良い時もあれば悪い時もあるのと一緒。

つまり、良い権力者がいる場合もあれば、いない場合もあるという話なのだ。

何が言いたいかというと、結局は歴史は繰り返すということで、なぜそんなことが起きるのかと言えば、大衆が愚かだからではないか?というのが現在の見解。

大衆が愚かな理由

大衆が愚かになってしまう理由として、大衆の全体像が見えないというのがあろうだろう。

例えば、ある事柄について、賛成か反対かが即座にわからないということだ。

国民投票をすればわかりやすいが、とても時間がかかるだろう。

つまり、大衆の考えというのを常に理解している人がいないから、大衆というものの全体像がまったくわからないのだ。

小泉政権において、二極化が推進され、正規社員を減らし契約社員を増やすという大方針が出された。

それは国民投票に近いかたちで、国民の同意を得た。

小泉政権を支持するなら、二極化や契約社員の増加への同意した、支持するということだ。

今、こうして考えてみれば、それが日本における大きな歪みになっていることは間違いない。

そもそも二極化したことで、総中流社会が破壊され、お金が動きにくくなってしまった。

契約社員の増加で未来の計画が立てにくくなり、結婚がしにくくなってしまった。

婚活女性は二極化における数が少ない上位の人を望み、結果として結婚できない人が増えてしまっている。

総中流社会であれば結婚できていた人たちが、結婚できなくなってしまえば、当然、子どもの数は減る。

大金持ちがいくら頑張ったところで、せいぜい子どもなんて10人育てるのが限界だろう。

結局、子どもの数を減らしたのは、二極化、契約社員増加を掲げた小泉政権を支持した大衆なのだ。

あの時の自民党に、政治に、閉塞感があったことは否めない。

バブル崩壊によって日本は意気消沈していた。

それは否定しない。

ただ、だからと言って、少子化に向かう政策を支持するのは、正直、間違いであったと個人的には考えている。

しかし、当時は違ったのだ。そうすることが正しいと大衆は考えたのだ。

そして、その大衆というのは、個人の集まりではあるものの、外的な要因によって考え方が変化し、自分の意志で投票しているようで、実は流されているだけのことも多い。

それは個人が悪いということではない。

なぜならすべての人間が同じだからだ。

どれほど偉い人、素晴らしい人、凄いとされる人であっても、外部からの影響を確実に受ける。

なぜ断言できるのか?

数年前と今では、価値観が大きく変わっているのが、まさにその証拠だ。

例えば、ダイバーシティ、多様性なんて、10年前から同じ考えの人がいただろうか?

自らダイバーシティや多様性という価値観を生み出した人はいただろうか?

そうすべて外部からの影響なのだ。

結局何が言いたいのかというと、個人は外部の影響を受け、考え方が変わるもので、それは個人が愚かなのではなく、そもそも人間とはそういう生き物というだけの話なのだ。

そして、大衆の全体感が見えないからこそ、メディアなど発信力のあるものに流されてしまう。

ただ、それだけなのだと自分は考えている。

高度経済成長の理由

そもそも日本が爆発的な高度経済成長をすることができたのは、その人口と、総中流社会が基盤にあった。

他にも要因はあるけれど、根幹はこの2つだと個人的には思う。

人口が多い方が発展が早くなるのは自明の理。

総中流社会が重要なのは、お金を使える人が多いというのが、その理由だ。

100億持っていたとしても、それを1人の人間が使うのは難しい。

結果として、そこでお金が滞ってしまう。

しかし、1000万を1000人なら、あっという間にお金は消費されていくだろう。

もちろん、お金を貯める人もいるだろうが、100億持った一人の人が、もし倹約家でお金を貯めることを目的としていたら、1000人に分散したほうがそのリスクが減るのはわかりやすいだろう。

つまり、1000人のうち、100人が倹約家であっても、900人はお金を使ってくれるわけで、90億の金が動くという話だ。

そして、誰もが知っている経済の基本。それはお金が動くことである。

これが総中流社会によって爆発的に日本が発展した理由だ。

少し考えてみれば、すぐに推察できることだが、残念ながら、今はそうなっていない。

さらに悪いことに、二極化はどんどん進行していて、もはや簡単には変えることができない状態にまでなってしまった。

生活が苦しい、もう少し給料が欲しい、多くの人がそう考えているが、結局それは自分たち自身で首を締めていたにすぎない。

大衆がコントロールできないから個人の利益に走る

ただ、そこで終わりということでもない。

当たり前だ。

未来はまだ続くからだ。

では、その未来に向けて、今できることは何か?どうすべきなのか?というのが、僕達が今、考えるべきことなんだと思う。

ここまでは、まあ、そうかなと思える話なのだが、結局のところ、個々人がそう考えたところで、大衆は愚かであることを考えると、また同じような過ちを犯してしまうのだろうなという気持ちもある。

そう考えると、僕達個人にできることは、金を稼ぎ、権力を手に入れ、少しでも美味しい思いをするしか無くなってしまう。

結局、それが、政治や権力者、経営者の腐敗が無くならない理由でもあるのではなかろうか。

つまり、個人が愚かなのではなく、大衆が愚かで、その大衆を制御できないから、個人の利益に走るという話だ。

いわゆる大局観が見えていないということでもあるが、大衆を理解するには、現状、かなり難しいと思う。

大衆を制御できない無力感、絶望感が、結果として個人の利益というわかりやすい目先の利益に流れてしまうとも言えるかもしれない。

そう思うのは、政治家を目指す人というのは、少なからず志があって立つと自分は考えているからだ。

最初から、不正をしよう!政治を腐敗させよう!賄賂をバンバン貰おう!と思って政治家になる人はほぼいないのではないかと思う。

これは希望的観測と言われるかもしれないが、個人的にはそう信じている。

それは官僚にも言えることかなと。

国民を苦しめて、自分だけ天下りで美味しい思いをしようと思って官僚になった人はいないと思う。

結果として、そうなってしまったにすぎないのではないか?という話だ。

国民投票システムで大衆の考えを可視化できないか?

少し話を戻そう。

大衆の考えが見えないことによって、大衆が制御できないことが政治の腐敗の原因であるならば、大衆の考えを可視化することができれば、政治の腐敗は少なくなるかもしれない。

それを少しでも解消する方法として考えられるのが、手軽にできる国民投票システムかなと。

マイナンバーでログインし、様々な法案について、国民が投票して決めるということだ。

理想的にはすべての法案について、全国民がある程度の理解をする必要があるが、現実問題としては難しいだろう。

ITなどがその典型的な例だ。

そう考えると、例えば、国民の投票率が60%以上あれば、賛否が有効化する感じが限界かもしれない。

まあ、昨今の日本における選挙の投票率を考えれば、60%もかなり理想的に見積もった数字だけれど。

AIによって市民の声を分析する

もう1つ考えられる方法として、AIを使って市民の声を分析するという方法だ。

例えば、Xのポストを集めて、大衆が何を考えているのかを分析するということ。

Xは1人が複数のアカウントを持っていて、それによって大衆を扇動できるのでは?という意見もある。

確かにその可能性は否めないが、1億という人口を考えると、個人がどれほど頑張っても全体の意見を変えることは難しい。

また、お金をかけたとしても、相当莫大な費用になる。

人件費が一番お金がかかるからである。

加えて、Aという政策に賛成の人たちも反対の人たちも複数のアカウントを持っているとしたら、全体としてそれほど偏りはでないのかもしれないという少し甘い見積もりもある。

理想的にはマイナンバーカードなどと紐づけて、1人1アカウントのSNSがあると良いのだろうが、その運営はかなりコストがかかるので、現実的ではないだろう。

まとめ

ざっくりまとめると、大衆の意見は個人では把握しにくく、コントロールもできない。個人はメディアなどを含め、様々な外部要因に影響を受け、考えを変えていくからだ。

政治家や官僚も最初は志があっても、大衆の意見がわからず、制御もできない無力感から、個人の利益に走ってしまう。

であるならば、大衆の意見を可視化する国民投票システムや、AIによる分析がその解決策になるかもしれないという話。


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