評価・レビュー
☆5/5
過去の事件の捜査のために警視庁捜査一課十一係から公安部へ異動した鷹野秀昭(青木崇高)だったが、公安の捜査手法や公安部の人の対応に戸惑いつつ、エジプトの神話を模した連続殺人事件の捜査をしていくのだが、秘密主義の公安において、本事件の対応に違和感を感じる。そして、事件の裏には隠された秘密があり、さらに鷹野秀昭が追っていた事件と繋がっていくのだった・・・。
みたいな話。
本作は警視庁捜査一課十一係シリーズに続く作品で、過去作も個人的に好きだったのもあって、観始めたのですが、クソ面白くて、全10話を一気に観てしまいました。
個人的にはダントツで本作が良かったです。
それも前段というか、新人刑事 如月塔子(木村文乃)が主人公の石の繭、水晶の鼓動、蝶の力学があって、そこで如月塔子の先輩で相棒でもあった鷹野秀昭の物語があったからかなと。
本作では如月塔子は名前は出てきても登場はしないので、まさに鷹野秀昭がメインの作品になっています。
また、鷹野秀昭が主人公になったことで、かなり重厚感が出ている印象です。見応えあり。
過去作との絡みにニヤリ
如月塔子は出てきませんが、他の警視庁捜査一課十一係のメンバーがちょこちょこと登場します。
また、過去の事件に絡んだ登場人物も出てくるので、過去作を観ている方は思わずニヤリとしてしまうのではないかなと。
本線にはそこまで影響は無いのでガッツリした絡みではないですが、個人的は程よいスパイス感覚で良かったです。
鷹野秀昭の葛藤の描き方が良かった
序盤は公安のやり方に鷹野秀昭が戸惑うというか、反りが合わない的な感じなのですが、途中からこれまでの捜査手法とは全く異なるやり方に、納得しきれないものの組織人として、命令に従う姿が描かれていきます。
このあたりの描き方が個人的には面白かったです。
鷹野秀昭自身は淡々としたキャラクターなので、激しくぶつかることはないのですが、公安のやり方に従いつつも自身のやり方で事件を解決に導くことで、公安のやり方に反発していくという感じ。
引き込まれる展開
正直言うと、3話ぐらいまでは、面白さのテンションとしては、過去作と同じぐらいでした。
これが4話目からぐっと面白さが増してきます。
石の繭、水晶の鼓動、蝶の力学は全5話、スピンオフ作品の悪の波動も全5話ということで、1つの事件を解決するという話なのですが、本作は全10話で大きな1つの事件でありながら、複数の事件が絡んでいるというのが大きな違いかなと。
少し調べてみたら、本作は2つの作品を合わせたもので、企画段階からWOWOWの制作チームが麻見和史先生らの講談社チームと打ち合わせがあって作成されたそうです。
いろいろと納得。
刑事物のドラマ作品としては、個人的にはかなりの良作な気がします。
単体としても楽しめますが、やはり過去作の石の繭、水晶の鼓動、蝶の力学は最低でも観てからの方が楽しめるかなと。
スピンオフも面白いので、できれば観て欲しいところ。
全体として、若干気になったのは、セリフの声が小さくて少し聞きづらいところかな。
このあたりもしかするとですが、日本語のドラマだから起きる問題かもと思いました。