Welcome to ParadiZe – コンセプトは良かったが、様々な要素を入れすぎて逆に薄味感が強い印象

評価・レビュー

☆3/5

Welcome to ParadiZeは、ゾンビがいっぱいの島でサバイバルしながら、月への脱出を目指す見下ろし型のゾンビシューターゲームです。

最大の特徴はゾンビの頭に機械を取り付けて味方として戦ったり、資源を集めたり、畑を耕したりするゾンボットを作れること。

最大2体までのゾンボットといっしょに、クエストクリアしていきます。

主人公の武器はバットなどの近接武器と銃や弓などの遠距離武器があり、もちろんチェーンソーや火炎放射器といったゾンビ系作品なら定番の武器も登場。

また、レベルが上がるとスキルポイントが貰えて、主人公を強くしたり、ゾンボットを強くしたりできます。

ゲームのプレイ感としては同じ会社がリリースしているHOW TO SURVIVE：ゾンビアイランドが近いかなと。演出などもとても似ているので、そのノリが好きなら雰囲気は楽しめるかなと。

HOW TO SURVIVE：ゾンビアイランドは個人的に何だかんだと面白かったのですが、個人的にはWelcome to ParadiZeは若干楽しめませんでした。

雰囲気やコンセプトはすごく好きなのですが、様々な要素を詰め込んだ結果、どの要素も薄味になってしまった感じです。

個人的に一番気になったのは、何が面白い要素なのかがわかりにくかったこと。

本作では柵や罠を作ってゾンビから拠点を守るタワーディフェンスゲーム的な要素があります。

しかし、柵や罠、配置できるゾンボットは、発電所の電力に依存し、発電所がたくさん建てられないので、結果として柵や罠、ゾンボットの配置に制限があります。

その制限の中でやりくりするのがゲームとしての面白さの1つなのですが、そのタワーディフェンスゲーム要素はメインではなくサブなので、作りが甘いです。

そもそもそれほどゾンビの襲撃は無く、さらに言えば修理すれば問題ないので、ずっと放置でも問題ありません。

さらに、そこそこの砦を作るとゾンビの襲撃は簡単に防げるので、すぐに何もしなくて良くなってしまいます。

本当にタワーディフェンスゲームの要素が必要だったのかなと思うぐらいに、ちょっとしたミニゲーム感覚なんですよね。

また、資源の入手量に偏りがありすぎるのも、気になりました。

ゾンビを倒すとスクラップが貰えて、スクラップからは銃の弾がすぐに作れます。

ですので、弓やクロスボウなどに比べると銃がかなり手軽。

また、爆弾などもありますが、作るのがかなり大変というか、素材の大型缶詰がなかなか手に入らないので、結果としてほぼ銃でしか戦わなかったです。

クラフトアイテムはいろいろとあるのに、使う必要性を感じないし、作るのも大変という・・・。

料理を作るキッチンも作れますが、料理の素材も手に入りにくいので、結局料理もほとんどしませんでした。

また、料理の効果もそれほど高くなく、料理では対処できないことも多いので、結局意味が無いというか。。。

で、一番気になったのは、やはりメインのゾンボット。

結構細かく設定しても、思い通りに動いてくれないというか、ワンテンポ遅いんですよね。

一番気になったのは敵のゾンビとの戦闘。

基本的に自分のキャラクターが攻撃することで戦闘が開始し、ゾンボットも参戦するのですが、ワンテンポ遅れての参戦になるので、自分の銃で敵ゾンビを倒してしまう方がはやいことが多いです。

つまり、ゾンボットがいる意味があまりないというか。。。

じゃあ戦闘以外のアイテム収集を任せてみようと思ったのですが、それも自分で拾った方が速いという感じで・・・。

個人的には途中からゾンボットはほぼいないものとしてプレイしていました。

環境対応にはゾンボットが必須なので、ゾンボットを連れて行かざるを得ないのですが、正直、他の方法で環境対応できるならいないくても問題無い感じ。

個人的には少し期待感が高すぎたというのもあるかもしれませんが、それを差し引いても少し作業感が強くなりすぎてしまった印象です。

と、結構悪めの評価なのですが、個人的には雰囲気は好きですし、やりたいことは伝わっては来たので、悪いゲームではないかなと。

ただ、もっと特定の要素のフォーカスした方が、絶対に面白かったなとは思います。

例えばゾンボットを主体にするなら、2体じゃなくて10体ぐらい連れて歩くことができた方が面白いだろうなと。

自分が作ったゾンビ軍団と敵のゾンビ軍団の戦いという感じ。

または、タワーディフェンスゲーム部分にフォーカスして、もっと大きな砦を作れて、ピタゴラスイッチ的な遊び方ができるという方向性もアリかなと。

武器も銃以外が使いやすいように、素材を集めやすくするとか、スクラップで他の素材を購入できたりしたら、またプレイ感は違っていた気がします。

あと、ゾンビの数はもっと多くても良かったかも。