評価・レビュー
☆4/5
警視庁内に存在する派閥「外様派」のキャリア組である上條漣(玉木宏)は、警視総監になるために、汚い方法を使いながら「東大派」「薩摩派」と派閥闘争を繰り広げる物語。
派閥闘争については、ちょちょい話としてはでてきますが、本作は派閥闘争がメインになっているのが特徴です。
単純に駆け上がる内容ではなく、策謀や嘘が入り混じり、二転三転する展開が面白く、個人的にはかなり楽しめました。
桜の塔というタイトルは、警察のマークである桜の代紋から。つまり、警視庁という塔を駆け上がるという意味です。
また、桜の代紋を調べて初めて知ったのですが、警察のマークは桜じゃなくて、旭日章が元なんですね。
旭日章を五角形にデザインしたところ、桜のように見えることから桜の代紋と呼ばれるようになったみたい。
ちょいネタバレあり感想
個人的に本作の面白さは、一度、主人公が完膚なきまでに敗北するところかなと。
順風満帆に駆け上がるわけではなく、味方が敵に、敵が味方にと入り乱れ、それぞれの思惑が交錯し、時に手を結び、協力しているフリをして裏切るなど、複雑に人間関係が絡み合っていきます。
そんな人間模様と、再起をはかるところからが、個人的には結構楽しめました。
ヒロイン的な役は広末涼子さんで、レビューでは結構評価はされていませんでしたが、悪に手を染めていく主人公に光を当てる存在として、雰囲気だけでそれを示せるのは個人的にはすごいなと。
持って生まれた光属性というか。
そういう意味では、良いキャスティングだったんじゃないかなとは思います。