ドキュメンタリー映画 はりぼて – 全国民に観てほしい、これぞジャーナリズム

投稿者: | 2023年5月31日

評価・レビュー

☆5/5

2016年、富山県のローカル局 チューリップテレビの記者たちによる調査がきっかけで不正が明らかになり、半年の間に14人の富山市議が辞職することになった事件をまとめたドキュメンタリー映画。

とにかく、市議たちのやり方が杜撰のひと言。逆に言えば、そんな杜撰なやり方がずっと前から続いていたんだろうなと。

明らかになった不正は直近のものだけだが、政治家として長く活動している人も多く、脈々と不正が行われてきた可能性が高いなと思いました。

そして、こういう不正は富山だけでなく、全国で行われているだろうなと感じました。氷山の一角でしかないように思います。

最初はあまりの杜撰さに笑ってしまいましたが、信じていた市議も同じようなことをやっていて、最後の方は毒気に当てられた感じで、気持ち悪くなってしまいました。

正直、全国民が一度は見てほしい作品です。

増税増税の政府、本当に金が無いのか?

こういう作品を見てしまうと、もう政治家の方たちを信用できなくなってしまうなと。

2023年5月現在、これ以上増税しないと何度も言っていたにも関わらず、年収による扶養控除廃止の検討が行われ、やはり増税は続く模様。

そして成長が停滞しているのに、税収は過去最高を更新し、さらに増税と、もはや何を考えているんだ?という状況です。

しかし、考えてみれば当然の話で、政治家や官僚たちの懐を温めることしか考えてないんですよね。

未だに天下りは無くならないですし、よくわからん法律が出来ては、それを監督する団体とか、それについて考える団体とかが出来て、そこに税金が投入されているわけで。もう日本政府は末期症状だなと。

そんなことを本ドキュメンタリーを見て改めて思いました。

増税する前にすることがあるだろうと

まずは無駄なものを無くすことからだろうと。その上で金が足りなければ、増税すれば良い。それなら、多くの国民は納得するだろうし。

本ドキュメンタリーでは市議の給料を上げる話からはじまります。しかし、結果として、その旗振り役の市議は不正で有罪、さらに市議の給料は元に戻されました。

ほんとね、最初にやるべきことは、透明性のある政府なんじゃないかなと。全部テーブルに出して、みんなで議論して、その上で金が足りないなら増税だろうと。

最初から意味不明な団体にガンガン金使っておいて、金が無いってのはちょっと違うんじゃないかなと個人的には思います。

じゃあ政治家になれば・・・

選挙に出るには、そもそも金が必要。選挙活動するにも金が必要。そうなんですよね、志だけではどうやっても政治家になれないわけです。

日本で二世議員が多いのも同様。いわゆる地盤というやつ。

正直、二世議員については制度で止めないと意味がないと思ってます。

有史以来、二世が一世を越える例は少なく、二世が愚者であった例は枚挙にいとまがありません。最近では始皇帝による中華統一を描いたマンガ キングダムが流行っていますが、秦も愚かな二世と宦官が原因で15年で滅びましたよね。

今の日本はまさに二世と官僚たちによって支配されていて、税金によって金を搾り取って国民が力を持たないようにしている状態。まさに末期症状だなと。

そんなことを思いました。

希望は無敵の人

ただ、そんな中にも希望はちょっとずつ生まれているように思います。それが無敵の人。最近だと暇空茜氏が話題です。

現在は東京都とも裁判しており、東京都の悪政がいろいろと明らかになっています。

これに追随している方たちも増えていて、こういう市民活動が今後、日本を変えていくのかもしれないと感じました。

マスコミは地に落ちたが

マスコミはとんと触れず、沈黙を保っています。マスゴミと言われて久しいですが、もはや日本のマスコミは地に落ちたと言っても過言ではありません。

しかし、本ドキュメンタリーのように、戦っているマスコミの方もいるのだなあと知り、それは前述の無敵の人同様に、マスコミ業界の微かな希望だと感じました。

ジャーナリズムってこういうことだろうと。

裏とりもせずにワーワー、ギャーギャー騒ぐのがジャーナリストじゃないだろうと。

それをひしひしと感じることができます。

本当に、こういう方たちがもっとクローズアップされていけば、日本のマスコミは信頼を再び取り戻せるのではないかなと個人的には思いました。

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