評価・レビュー
☆4/5
事件で社長が亡くなってしまったスマホゲーム会社に謎のコンサルタントのリージャス・パトフが突如現れ、生前の社長との契約書を盾に会社の実権を握ったことに疑問を感じたクレイグとエレインはコンサルタントの正体を調べるのだった・・・。
みたいな話。
全8話で謎めいたコンサルタント リージャス・パトフの怪しい雰囲気や変化していく会社の状況を描いたスリラードラマです。原作はベントレー・リトル先生の小説 The Consultant。
1話が30分程度でサラリと見れて、なかなかに面白い展開で楽しめました。ただ、ラストが少し弱い感じで、そこで賛否両論が出ているようです。
謎のコンサルタント役はクリストフ・ヴァルツ氏で、怪しいコンサルタントの雰囲気を上手く演じていて、それが本ドラマの一番の見どころかなと思います。
好みは分かれますが個人的には好きな作品。
以下、ちょいネタバレありの感想。
リージャス・パトフの由来
ドラマの中でも説明されていましたが、リージャス・パトフという名前はReg. U.S. Pat. Off.に由来しています。Reg. U.S. Pat. Off.とは、Registered in U.S. Patent Officeの略で米国特許庁に登録済みという意味(調べてみるとUnited States Patent and Trademark Officeが正しい模様)。
つまり、ネタ的な名前というか、日本で言えば特許太郎的な感じの名前なのです。それ故に存在しない人間と表現されたりしていました。
本作のテーマは職場風刺
少し調べたのですが、原作のThe Consultantは米国の職場風刺を描いた小説のようです。つまり、謎のコンサルタントによって会社が一気に変わり、多くの人が惑わされたり、人生を狂わされたりする状況を、少し大げさにというか、エンタメ的な要素を取り入れて描いた作品と言えます。
イーロン・マスク氏の改革に似ている
最近の話題で言えば、Twitterのイーロン・マスク氏がTwitter社の改革で社員の解雇を行い話題になりましたよね。
Twitterのイーロン・マスク氏、難病の社員に解雇告げ「障害を言い訳に働かない」「最悪」と罵倒。多額の支払義務を前に謝罪 | テクノエッジ TechnoEdge
本ドラマでもリモートで働いている社員を会社に呼んだり、車椅子の社員が5秒集合時間に遅れたことで解雇されたり、数ヶ月でコンサルタントを辞めたりと、なんだかイーロン・マスク氏のやっていることと非常に良く似ています。
米国コンサルタントの常套手段なのかも
イーロン・マスク氏の改革は2023年3月頃、本ドラマ コンサルタントは2023年2月から公開、原作は2016年出版で、本ドラマの方が先なんですよね。
つまり、イーロン・マスク氏のやり方は米国では以前からよくある手法であることが推測できます。だからこそ職場風刺の作品だと言えるわけです。
コンサルタントが悪魔のように見える
ドラマの中ではリージャス・パトフが悪魔に取り憑かれているといった表現がありますが、実際問題、イーロン・マスク氏のやり方に対してもTwiiterの社員の方たちは同じような印象を持ったのではないでしょうか。またイーロン・マスク氏のやり方について多くの批判があったことも事実です。
しかし、Twitter社はかなり赤字を垂れ流しており、改善の余地も無かったことから、誰かが大きな改革を断行せざるを得なかったのも現実。
コンサルタントは本当に悪魔なのか、それとも会社を救う救世主なのか。ドラマでは会社の利益は改善しているので、会社が救われたことは確かです。それをどう考えるのかという話なのかなと。
リンク
- The Consultant (TV series) – Wikipedia
- The Consultant by Bentley Little | Goodreads
- Amazonオリジナル作品レビューまとめ | ネルログ