大洗磯前神社と酒列磯前神社の話 大洗は大祓、酒別は坂別かも

投稿者: | 2023年1月24日

先日、大洗磯前神社と酒列磯前神社に行ってきまして、ふと気になって調べたり、考えたりしてみました。あくまで一個人の考えです。

大洗磯前神社(おおあらいいそさきじんじゃ)

海が見えて、参道が海に繋がっているのが特徴。御祭神は、大己貴命と少彦名命です。

大洗はガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)の舞台ということもあって、境内にガルパンの絵馬が大きく飾られていました。

また写真には撮らなかったのですが、絵馬に絵を書いて奉納しているものが多数あって、時代だなあと。

たまたま運が良かったのか、いつもあるのかわかりませんが茅の輪がありました。神社によって作法が若干違うようですが、基本的には8の字にくぐるようです。

左の奥には大杉社、水神社、八幡宮がありました。

その左側になぜか、たぶん大黒天と恵比寿と思わしき像が。作りかけなのか、前からあるのか。

また少し戻って、右側の社務所の前を通ってさらに奥に行くと御嶽神社があります。

その反対側の社務所の脇には車祓い所。

そして最初のところに戻ってきたところで、なぜか脇道があることに気づきました。そういうことか。

もう1つ駐車場の帰り道にあったものも気になりました。

酒列磯前神社(さかつらいいそさきじんじゃ)

大洗磯前神社と深い関係にある神社で大洗磯前神社と酒列磯前神社の2社でワンセットのようです。酒列磯前神社の主祭神は少彦名命で、配祀神は大名持命(大国主の別称)ということからもわかります。

参道がとても長く直線になっているのが特徴です。

神社の参道は、産道とも同一視されることがあり、酒列磯前神社のカタチを上から見るとなんとなく、そんな印象もありますね。

そういえば酒列磯前神社の案内板の1つに、少彦名(えびす様)というのがあり、海に近いということからもいろいろと納得できますね。

余談1:茅の輪を八の字にくぐるってことは

八という数字が出てくるとやはり須佐之男命(すさのおのみこと)を連想させますね。

御祭神は、大己貴命。大己貴命は大国主の別称の1つで、須佐之男命の六世の孫とされています(古事記)。

そもそも八という数字は別れるという意味があります。末広がりで縁起が良いというのはのちのち(確か江戸時代)にあとづけて付けられたものです。

京都の八坂神社など八という数字が須佐之男命にまとわりつくのは、須佐之男命は黄泉の国の王でもあるから。黄泉の国に関する坂といえば、黄泉平坂ですね。

そう考えていくと、大洗磯前神社はそっちに関連している神社ではないかと推測できます。

余談2:酒別(さかつらい)は坂別?

酒列磯前神社の酒別は「さかつらい」と読みます。非常に読みにくいですね。酒別の由来は、

当社周辺海岸の岩石群は南に約45度に傾斜して並んでいるが、その内の一部の北に傾いた部分、すなわち「逆列(さかつら)」の地名が社名の由来とされる。 のちに酒の神様を祀るところから「酒列」となったとされる。

酒列磯前神社 – Wikipedia

ということらしいです。

ただ、個人的に須佐之男命が関係していることを考えると、逆列は坂列じゃないかなと思います。

余談3:えびすは蛭子(えびす)で蛭子(ひるこ)で水子

大洗磯前神社と酒列磯前神社は両方とも大国主と少彦名命の神を祀っており、少彦名命はえびす様という記載が案内板にありました。

えびす様は蛭子(えびす)と書かれることもあり、蛭子は「ひるこ」とも読むことができます。ひるこというのは水子(流産した赤ちゃん)のことです。

なぜ蛭子と書くかというと、

記紀神話において、蛭子命は3歳になっても足が立たなかったために流し捨てられたとされる。その神話を受け、流された蛭子命はどこかの地に漂着したという信仰が生まれ、蛭子命が海からやってくる姿が海の神であるえびすの姿と一致したため、2神は同一視されるようになった。

えびす – Wikipedia

という逸話があるからです。

余談4:大洗は大祓いでは?

大洗という地名は平安時代にはあった地名のようです。由来として、太平洋の荒波に洗われているということではないか?と言われています。

なんとなく腑に落ちないなあと個人的に思ったのですが、もし大洗(おおあらい)が大祓(おおはらい)だとすると、すべての辻褄が合いそうです。

つまり大洗磯前神社があった場所はもともと穢を祓うところだったのではないでしょうか。日本の古来における穢とはいろいろと説がありますが、気枯れとも言われ、気がない、生気がない、亡くなっている状態という考え方があり、それとも合致しそうです。

そう考えると大洗磯前神社があった場所は、死者を弔う場所であった可能性があるかなと。

で、酒列磯前神社は前述したようにえびす様ですから、水子の供養をした場所なのではないかと思います。

この2社がワンセットという意味も、これで納得できるなあと。

海に近いことから、当時は死者を海に流していたのかもしれないと個人的に考えています。

時間があったら周囲の神社なども調べてみると面白いかもしれないなと思いました。

余談5:めんたいパークと市場と穴子丼

はじめて行ったのですが、いろいろとめんたいこづくし。めんたいこ好きなら。

近くの市場。

昼ごはんは穴子丼。

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