評価・レビュー
☆5/5
いわゆるタイムトラベルもの(タイムループ的でもある)で、事故がきっかけで過去の時間に飛べるようになり、父の死の真相を探っていくという話。シーズン1では完結せず、シーズン2で完結。
最大の特徴はリアルに撮影したモデルの動きをトレースしてアニメーションにするロトスコープという手法を使っている点。通常のアニメとは違った雰囲気で、技術的な進化もあってかなり自然な感じになっています。
1話が30分程度でサクサク見れますが、若干テンポ悪め。
個人的には、ロトスコープという手法と最後のオチも悪くは無かったので☆5としました。最後までみて、いろいろと考えさせられる作品かなと。オチは賛否ありそうだけど。
話としては
本作はジャンルを超えた30分のアニメーション・コメディー・ドラマで、テキサス州サン・アントニオに暮らす28歳の主人公アルマを通じて現実の伸縮性を探る。事故で生死をさまよった後、アルマは自分と時間との新たな関係性に気づく。アルマはこの新たな能力を発展させ、父の死の真相を調べる。
アンダン ~時を超える者
リアルとアニメの中間
ロトスコープを使うことで通常のアニメに比べて主人公たちの表情がかなり豊かです。個人的には最初違和感がありましたが、良い意味で斬新さを感じることができました。
また、アニメにしたことで、タイムトラベルの表現も自然なのが良さかなと思います。実写の場合だとどうしても技術力というか、予算に大きく映像が左右されるので。
今後注目の手法かなと思います。アニメ好きなら一度は観て欲しい感じ。雰囲気だけでも感じて欲しいかなと。
ストーリーは受けて次第か
これは個人的な感覚ですが、ストーリーの良し悪しはかなり意見が分かれそうかなと。
シーズン1は前フリみたいな感じなので若干テンポが悪めです。シーズン2では主人公の性格が結構変わってしまっていて、そこが本作で伝えたかったことの1つではあると思いますが、若干イライラするところもあります。これもちょっとテンポが悪いのが原因かもしれません。
次の話への引きも若干弱めかなと。それもあってエンタメ作品としては少しパンチが足りないところはあります。
若干ネタバレあり感想
本作の特徴はやはり主人公 アルマの葛藤というか、現実世界の閉塞感や周囲に理解されないことへの苛立ち、そして自分の人生に何かが足りないのにそれが何かわからない不安や怯えなどを十二分に表現している点かなと。
それが若干テンポの悪さにも繋がっているのですが、逆に共感できる点でもあると思います。またこういう渇望感的なものって多くの人が感じていることなんじゃないかなと。
アルマの場合はそれらの根源として父の死が関わっていて、それを解明しタイムトラベル能力で過去を変えようとするわけです。
結果として変わった未来に対して受け入れはするものの、それでも何かが足りないように感じ、再び暴走していきます。
様々な経験を通してオチへと向かっていくわけですが、それは今の自分と向き合うということでもあるわけです。
思い通りの満たされた人生なんて本当にあるのか? そんなことを考えさせられました。
このあたりは、人間の飽くなき欲望的な側面もあるかもしれません。ある意味、宗教的でもあるのかな。