評価
☆5/5
カジュアルに読みつつも、しっかりしたアウトプットで理解を深めるというやり方をすることで自己肯定感が高まるという内容。
個人的に印象に残った言葉は、
- 読書とは精神を削る行為ではなく精神を満たす行為
- 仮説を立ててから読書する
- 自分にとって大切なことを、誰かの意思ではなく、自分の意思で決められる感覚や手応えが自己肯定感
です。
とても読みやすく内容も丁寧でわかりやすかった良書。
ただ、アウトプットに至るまでは、かなり大変かなという印象。ある程度、知識レベルが高く無いとできない読書術とも言えるかなと思いました。
個人的に本書で一番良かったのはエピローグに書かれていた著者と恩師とのやりとりです。
著者は本が嫌いでしたが、恩師との会話で文学部に行き、読書が好きになったきっかけのエピソードが書かれています。
まず恩師は本が嫌いな著者に対して本が嫌いには見えないと言います。そして、
「本を読んでいない人間がどうして本を嫌いになるんだい?」
と著者に問いかけました。これは、あらゆる事象に言えることかなと。ぜひ本が嫌いな方にはこのエピローグ部分だけでも読んでほしいなと思いました。
自分も大学に行くまではほとんど本を読まない人だったので、このやり取りの会話にはいろいろと感じるところがありました。自分の場合には大学で出会った友人が本の虫で、自分が面白いと感じる小説を薦めてくれて、そこから本の面白さに気づき、学生時代は小説をメインに様々な本を読んでいました。そういう出会いって大切ですよね。
余談:パーキンソンの法則
本書とは直接関係ないですが本書で紹介されていたパーキンソンの法則が個人的には面白かったです。
イギリスの歴史・政治学者 パーキンソンが提唱した説で、
- 第1法則
- 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
- 第2法則
- 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
というもの(パーキンソンの法則 – Wikipedia)。
個人的にずっと考えていたことなのですが、
- 人間とは余剰リソースを使おうとする
というリソースの法則があるのではないかな?と勝手に思っていて、それに近い感覚だなあと思いました。
これはついついスキマ時間にスマホを使いたくなることから考えた俺理論です。いつでもリソースを投入できる媒体ができたことで、そこにリソースを使いたくなる、使わないともったいないと思い、使おうとしてしまうという話。