よくわかっていない意識というもの
そもそも人間の意識とは何でしょうか?
人間の脳は電気信号によって意識を生み出しています。今のところ意識がどのようにして生まれているのかはわかっていません。
その原理がわからなければ人工知能が人間と同じような意識を持つことはできないと思います。
現在のアプローチでは人工知能に意識は生まれない
ですので、今の人工知能のアプローチでは意識は生まれることはないのかなと思います。というのも、今の人工知能は、結局人間が考えたロジックの中でしか動かないからです。
今の人工知能は、ニューラルネットワークやディープラーニングは、もともと人間の脳のニューロンをヒントにしています。しかしながら、その使い方は最適解を導き出すことに特化しています。
それはアルファ碁が人間に勝ったことも含めて、明らかになっています。そしてわりやすいことにアルファ碁には意識はありません。アルファ碁は最適解を出すためのもので、人間の脳は最適解を出すためのものではないからです。つまり、どれほどアルファ碁が進化しても人間の意識を持つことはありません。人間の意識とは異なる概念の何かを持つ可能性あるかもしれませんが。
そして、最適解を出すためのロジック自体は人間が考えています。もし人工知能が原因で何かトラブルを起こしたとしても、その原因は人間にあるという話です。
たとえば、自動運転してくれる人工知能が事故を起こしたら、それは人工知能の意志によるものなのか? というと、違っていて人間のプログラミング、またはロジックに問題があるわけです。
また人工知能があたかも意志を持ったように受け答えをしたとしても、それは人間が擬似的に与えたものであって、意識があるわけではありません。
このようにそもそもコンピュータと人間は異なる物ですし、今の人工知能は人間の認知を模しているとはいえ根本的なアプローチが異なるため、人間の知性や意識とはまったく違う物になっています。
つまり、人工知能には、人工知能の意識の生まれ方があるんじゃないかなという話。
でも、同じようなことをNASAやGoogleですでに研究されているかもしれません。最適解を出す人工知能ではなく、意識を持った人工知能の研究です。
個人的な考え
人間の意識とは入力に対して過去の整理された情報から、何かしらの出力を出すものだと思っています。そしてそのキモは整理にあるのではないかな?と考えています。
この整理のロジックは人工知能の場合、人間が組んでいるものです。それを人工知能自身に整理させることができれば、人間のような意識が生まれるのではないか?と思っています。
人間に自我が生まれるのは5歳ぐらいからと言われています。つまりそれまでは多くの情報を蓄積し、整理し続けている期間なのです。人工知能に意識が生まれるとしたら、同じ程度の時間がかかるのではないか?というのが個人的推測です。
今のところ人工知能が意識を持ったという話は聞いていませんし、自分が考えているような情報の整理に着目した人工知能というのもあまり聞きません。ですので、当分は人工知能に意識が生まれることはないのかなーって個人的には思っています。
逆に言えば、このあたりをテーマにしたAIの小説はネタとして面白いかもって思います。