三国志 Three Kingdomsとは
三国志 Three Kingdomsは後漢末期の董卓の台頭から五丈原の戦い+αまでを全95話で描く、三国志の壮大なドラマ。
2012作品。
評価
☆5/5
三国志を語る上でもはや欠かせない映像作品といえば、本作三国志 Three Kingdomsでしょう。本作の最大の特徴といえば、序盤は曹操が軸で話が進んでいく点ですね。もちろん劉備や孫一族についてもしっかり時間を割いているので、三国志の名場面などはほぼ網羅しています。
曹操というと凛として苛烈なイメージが一般的ですが、本作の曹操はどこか愛嬌のあるキャラクター。最初はちょっとイメージと合わないかもしれませんが、話数が進むにつれてこの曹操がとても魅力的に見えてきます。これは役者の方の演技力なのかなと。
日本では判官びいきという言葉があるように弱い者に肩入れする傾向があります。三国志でも同様に劉備が主人公でイメージは固まっている感は否めません。それを打破したマンガとしては蒼天航路が挙げられますね。本作もそういう意味では新しい曹操像というのを読者に投げかけているようにも思います。
というのも、曹操以外の人物は一般的なイメージに近いからです。劉備、関羽、張飛はかなりハマっているように思います。個人的には孫策とかもカッコよくて好きでした。個人的には荀彧がなかなかに良かったです。
また、一騎打ちのシーンが結構あるのですが、それが格好良いのも本作の特徴かなと思います。
もう1つ挙げるとすれば、後半は司馬懿にかなりフォーカスが当たっている点でしょう。普は司馬懿の孫 司馬炎によって建国されていることからも、司馬懿が魏において大きな役割を担っていたのは間違いなく、その点もしっかり描かれているのは三国志関連の作品では結構珍しいかなと思います。
史実に完全忠実ではありませんが、うまくいろいろなエッセンスを加えてまとめ上げた傑作ドラマと言っても過言ではないでしょう。
三国志好きなら確実に観ておきたい作品。三国志初心者でも比較的観やすいですが、量が多いので気長に観るのが良いと思います。個人的には寝る間も惜しんで一気に観てしまいました。
あっ、そう言えば忘れていました。本作で個人的に良かった武将に曹丕もいました。曹丕については、曹操の息子ながら特徴が少なくあまりフォーカスが当たることはありません。しかし本作では曹丕のシーンもかなり多く、なぜ曹丕が跡継ぎになったのかも描かれています。
賛否はいろいろとあると思いますが、個人的にはかなり面白く観ることができました。