闇金ウシジマくん マンガレビュー お金っては誰にでも平等で冷酷

投稿者: | 2021年6月13日

闇金ウシジマくんとは

闇金融 カウカウファイナンスの社長 丑嶋馨と従業員、そして金を借りた人々たちの物語。闇金でお金を借りる人というのは、もはや表では借りられない人々。彼らはなぜそんな状態になってしまったのか。超暴利な金利わかってなぜ金を借りてしまうのか。

喰うものと喰われるもの、社会の底辺に生きる人々の闇、転落、絶望、そして希望を描いたノワールマンガ。

真鍋昌平先生作品で、2004年から2019年に連載、山田孝之さん主演でテレビドラマと映画化されています。

評価

☆5/5

闇金ウシジマくんの評価は難しいです。マンガとしてストーリーが面白いというのはありますが、その本質はどこにあるのかなと。

転落した人々を見ることでお金の大切さを知ることができるという視点もあると思います。

クソみたいな人間を見て、自分はまだ安全だと確認したいという観点もあるでしょう。

破滅していく人を見るのが楽しいというのもあるかもしれません。

マンガなのである程度極端に描かれている面もありますが(まあ、昭和の時代はそうでもないことがありますが)、道を踏み外してしまい闇に踏み込んでしまった末路を感じることで、過ちを侵さないようにしようという教訓めいた話と捉えるありますね。闇金には手を出してはいけないという教えでもあるかもしれません。

ただ、個人的にすごく感じたのは、お金っては誰にでも平等で冷酷ってこと。

ある意味、お金というのは現代の神様なのかもしれません。どれほどお金を崇めても、お金は助けてくれません。お金があるか、無いか、ただそれだけなのです。千円は千円で、その価値は普遍であり、千円のものしか買えません。けれどその千円の捉え方は人によって違います。そういうお金の本質が見えてくる作品かなと個人的には思っています。

聖域なき構造改革以降、二極化を選択した日本国民。富める者と貧する者が分かれ、多くの人が一歩間違えたり、ちょっとしたトラブルで奈落に落ちかねない時代になりました。そんな時代だからこそ、改めて今、読んでおきたいマンガだと思います。

絵柄にクセがあるのでパット見で倦厭しがちですが、内容は面白いのでぜひ一度は読んで欲しい作品。


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