十二人の死にたい子どもたち サスペンス映画レビュー 死にたいと思ったことがあるなら

投稿者: | 2021年7月8日

十二人の死にたい子どもたちとは

自殺をするサイトで知り合った12人が、廃病院に集まり集団自殺を計画する。自殺する場所に集まったところ、すでに1人がベッドで亡くなっていた。残りの11人で自殺を実行しようとしたところ、13人目が登場し主催者だと名乗る。

調べてみると1人目は自殺ではなく、殺された可能性があるという。この中に殺人鬼がいるのか?

自殺にならないと困る自殺希望者もいるため、この不可解な状況を1つ1つ解明していきながら何が起きたのかの真実に迫っていく。

原作は冲方丁先生、2019年作品。

評価

☆4/5

本作で個人的に一番驚いたのは、マルドゥック・スクランブルや天地明察を書いた冲方丁先生が原作という点。冲方丁先生の幅広さが伺える一作ですね。

この作品は人によってかなり評価が分かれる作品だと思います。特に自殺願望があるかどうか、それもその度合によって心に響くかどうかが分かれるでしょう。

映画本編で出てくる死にたい理由というのは、実際問題、そこまで大きな問題ではないケースが多いです。しかし、本人たちにとってはとても重要なことであり、世界に絶望するに足る理由なのです。これは自殺願望がある方、あった方には理解しやすいかなと思います。

逆に言えば、深く死について考えたことが無い人にとっては、内容を理解することができないかなと思いました。

ジャンルとしてはミステリやサスペンスに分類されますが、それらの要素はオマケ的な要素であり、メインのテーマは死にたいと願う概念なのかなと思います。なぜ、人は死にたいと願い、そして本当に死を選んでしまうのか? それを防ぐにはどうすればよいのか?

奥が深いテーマで、人によって感じ方は大きく違うかなと思います。希死念慮がある方なら、感じるところがある作品ではないでしょうか。


個人的に死にたいと思うこと

2020年はコロナウイルスの影響もあり、外に出れない期間が続きました。そして、三浦春馬さんや竹内結子さん、木村はなさんなど、とても悲しい事件が多数起きてしまった年でもあります。

はたから見れば、成功者と思われるような人たちでも、多くの悩みを抱え、自ら死を選ぶしか方法が無いほどに追い詰められていたことに驚きと、それを防げなかったのか?という疑問が生まれてしまいます。

また、誹謗中傷に対する問題が大きく取り沙汰されましたね。

少しでもそのような事件が減ることを切に願ってやみません。

私自身、死にたいと思うことが多々あり、会社を休むような事態になりました。その時は、自分自身では結構元気にやっているつもりだったのですが、急に立ち上がれないほど気持ち悪くなることも多く、自分自身で自分を制御できなくなっていました。

最近、ようやく体調も戻ってきて、次に向かって進めている気がします。自分の場合はなんだかんだと家族の存在は大きかったかなと。放って置いて欲しいと言ったら、かなり放置されていて、ゆっくり自分だけの時間というか、他の人に邪魔されず何もしないで過ごすということができたのが大きかったと思います。

人によって状況は異なるとは思うので、一概に正解というは無いと思いますが、個人的には自分自身を確立できなくなったときに、確立できていない時に、死にたいと思うことが多いなという印象です。自分自身を見失っているという表現が良いかもしれません。

自分自身が無い状態なので、自分自身を亡くしてしまいたいという感じ。自分自身を否定している状態です。

追い詰められている状況というのは、まさにそのような状態かなと。だからこそ、誰にでも起きる事態なのかなと思います。

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